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第6話
「なんかすげーもふもふなんだけど俺の衣装」
着替えて出てきたルードは、もふもふのオーバーオールにもふもふのでっかいシッポが付いていた。尖った耳付きフードもあって意外とプリティだ。
「うわなに可愛い獣っ、これもコウジに着せたい」
瞬助が反応してつぶやいているが…
「着ないよ」
素早く拒否している。
「狼っていうかワンコだな」
「つか俺だけなんか冬仕様だな、ちょっと暑い」
オーバーオールの前のファスナーを半分くらい開けながらアキラたちの方に歩いていく。もふもふの隙間から胸元の素肌が見えてそれなりにセクシーだ。
「すご、シッポもふもふ〜」
「アキラ触る?」
「触る触る、うわ、もふもふ〜」
ルードの衣装に喜んでいるアキラ、それがまた可愛過ぎる…密かにドキドキなみずきだったが…
「あー、こうやって油断させといて襲えばいいんだな、ガォー!」
そう言うと、シッポに夢中になる魔女っ子アキラをいきなりソファに押し倒す。
「ぅわっ、」
ルードとの身長差は15センチ以上、小柄なアキラを軽々組み敷く。
「ルード!」
萌一転慌てて止めようと呼ぶみずき。
「俺がオオカミだって忘れちゃダメだぜ」
綺麗な美人顔を上から見下ろしながら、頬を撫で、そのまま顎を持ち上げて囁く。
「ふふ、こっちも魔女だって忘れちゃダーメ!」
右手の指二本でルードの唇を塞ぐように触れ、余裕で微笑むアキラ。
「え?」
そんなアキラにドキッとしながら首をかしげる。
「ドラキュラ召喚〜」
どうやって助けようかと真剣にハラハラしながら見ていたみずきに、アキラは杖を振りながら目配せする。
「アキラ」
それに応えてみずきはアキラの元に行き、そっとお姫様抱っこをしてルードから救出する。
「ふ、ありがと、伯爵様」
抱きかかえられたまま、みずきの頬に、ちゅっとお礼のキスを落とす。
「……っ」
魔女っ子からの不意打ちのキスに、ドラキュラ伯爵の顔がみるみる紅くなっていく。
「えー、ドラキュラって魔女の手下だっけ?」
アキラを取られてやや顔をしかめるルードだったが…
「細かいことは気にしなーい、さ、食べようぜ」
みずきにソファへ降ろしてもらいながら促すアキラ。
「おー、そうだな冷めないうちにどうぞー」
半ばお遊びなので、すぐ機嫌を直し席に着く。
「すげー、即興で演技できるのかー」
突然仮装のショートストーリーが繰り広げられて、その様子を見ていた瞬助が拍手して褒めている。
「俺もゾンビだから隣の魔女っ子に襲いかかりたいけど返り討ちにされそうなのでやめときます」
「バカ言ってないで、食べるよ」
「はーい」
そんな瞬助に笑いが起こり、食事開始とともにハロウィンパーティが始まった。
瞬助のコウジをコスプレさせるという当初の目的も無事達成することができて…満足感に浸っていたが、更なる欲求も生まれてしまった、それは2人きりになるまで仕舞い込んでおくことにする。
そんなこんなで6人が集まって賑やかにハロウィンの夜は更けていくのだった。
おしまい。
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