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第8話

 朝起きて、冬夜は爆発しそうなまでの羞恥と後悔に苛まれた。 「あーーー、まさか俺が、ワンナイトとか…」  しかも相手はイケメン。めちゃくちゃに抱かれて鳴された。気持ちよかったけどなんであんなことした!と冬夜は頭を抱えた。  通常の冬夜なら、もう少し抵抗した。アシュレイをなんとか宥めすかして、セックスだけは回避したはずだった。  それなのに、あの時の冬夜は彼と一線を越えることに同意した。まるで誘われるように。  朝起きたら、冬夜はホテルのロビーのソファに寝かされていた。アシュレイの置き手紙が残してあったが、どうやらもうすでに出発したらしかった。形だけ見るとやり逃げのようだが、冬夜が目を覚まさなかったのだから仕方ない。別れの挨拶くらいはしたかったと心残りはあるが。  携帯を見ると、メッセージにはサークル仲間のやりとりが残っていた。どうやら男子たちは女子たちに帰りの迎えのために呼び戻されたらしく、冬夜にどこにいるのかと尋ねるメッセージが複数残されていた。  まさかイケメンとワンナイトラブを繰り広げたなんて言えないため、謝罪の文章を作って送ってやった。 「詮索されるんだろうな…まあ、適当に答えておくか…」  冬夜はソファーから立ち上がると、迷惑をかけたホテルスタッフにお辞儀をしながら建物を後にした。  外はもうすでに朝になっていた。昨日あれほど盛り上がったイベント会場にはゴミが散乱し、ボランティアがゴミ拾いに勤しんでいた。冬夜はボランティア達の方へと走り、彼らの手伝いを申し出た。  あの恥ずかしさを、何かをやることで紛らわしたかったのだ。

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