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第35話

「―――っ」 唇が塞がれて驚いて僕は目を見開いた。 先生の手を掴んだのは僕で、だけどまさか先生が僕に触れるなんてことないと思っていた。 だってここは学校だ。 先生はいつも学校では僕を見てくれないのに。 頭の片隅でそう考えながらも押し付けられた唇に思考は飛んでく。 触れるだけじゃイヤで薄く唇を開いてしまえば、ぬるりと先生の舌が入り込んできた。 先生の手を掴んだままの僕はされたかったけど絡んでくる舌にドキドキして震える。 咥内を熱く這う舌。 授業中の学校は静かで、一般の教室と別の棟にある保健室はもっと静かで唾液の交わる音が響いてくると外へと聞こえてるんじゃないかってそんなことあるはずないのに思ってしまう。 「……ふ、……っ、ん」 舌を甘噛みされて、ゆっくりだけど深いキスに唇が離れていくと銀糸がひく。 細すぎるそれがぷつんと切れるのを目で追いながら熱くなってる顔で先生を見る。 僕からなにかする―――なんて今までなかった。 だって、僕が何かして先生の気に障ったらって怖かった。 でも、でも。 学校で先生が僕を見ている。 その事実が嬉しくて先生の手を掴んだ手に力を込める。 無表情な先生の目が一瞬揺らめいて、また唇は塞がれた。 「……ン……っ」 さっきよりも激しいキスにくらくらしながら僕も必死に舌を動かす。 頭の芯が熱くてぼうっとなる。 粘膜を舌先でくすぐられるのが気持ちよくて、先生の舌と交わるのが気持ちよくて、ここが学校だってことも頭から飛んでしまう。 掴んでいた手をほどかれ、先生が僕の手を掴み直してベッドに押し倒された。 パイプベッドの軋む金属音に羞恥と理性の欠片が浮上しかけたけど体操服の中にもぐりこんできた手に真っ白になる。 「っ……ぁ」 胸の先端に触れた指先がぐにぐにと捏ねまわしてきて身体中に走る刺激に咥内を犯されながら熱い吐息をこぼした。 いつもより敏感になってしまってる気がする僕の身体は胸を弄られるだけで急速に下半身に熱が集まって、そして後孔が疼くのを感じた。 「……せ、ん……せ」 息継ぎの合間に小さすぎる声で呟くと、キスは続けたまま先生の手が僕の下肢に触れてきた。 とっくに完勃ちしている僕のもの。 その形をなぞるように先生の指が動く。 ―――直接触ってほしい。 そんなことを考えてしまうなんて僕はきっとおかしい。 だけど布越しに感じる先生の指がじれったくて思わず腰を揺らせば下唇を甘噛みされ、その直後にズボンの中へと手が入り込んできた。 先生の大きな手に握りこまれる僕のもの。 「……ん、……っぁ」 先生の手が上下に動くたびにぬるりとした感触がして先走りが溢れてるってことを実感する。 予想外の状況だからか、僕は容易くイってしまいそうなくらいに張りつめていた。 「――……どうするんだ。お前」 ココ、こんなにして。 ほんの少しだけ離れた唇から紡がれた言葉。

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