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最終話
―――俺の身勝手で遥をどれだけ傷つけていたんだろうと、改めて気づく。
「遥」
持っていたビニール袋を床に置き、遥の肩に手をのせ呼びかければ大粒の涙をこぼしながら遥が俺を見上げる。
その涙を指でぬぐって、ばーか、ともう一度笑った。
「夢なわかないだろ。全部現実だ。お前は俺にずっと言ってくれるんだろ? 好きだって」
必死で俺に訴えてきた遥の姿は目に焼き付いてる。
「お前は俺の傍にずっといて、ずっと言ってろ。そして俺も―――……ずっと、言うから」
ぱちり、と瞬きした遥が驚いたように見つめてくる。
「好きだ」
遥が安心するのなら、遥が俺がそう言うことで泣かないのなら、何度だって言ってやる。
それは紛れもない事実なんだから。
「好きだ、遥」
唇をゆっくりと触れ合わせて、視線を絡め合わせて。
ようやく遥が涙を止めて嬉しそうに微笑んだ。
「はい……。僕も、大好きです。先生」
遥から今度は唇を寄せて、抱き合って深いキスを交わす。
もう二度と傷つけることなんてしない。
この腕の中にある体温を手放すことなんてない。
そう心に誓い、俺たちは何度も何度も"好き"だという言葉を交わしたのだった。
【END】
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