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出版記念パーティー前日(2)(side真誠)

 翌日がパーティーでも、前日は仕事。  ひたすら文字を打ち込み、メールに添付して送ったり、請求書に捺印してポストに投函したり、そのついでに床屋で髪を切ったりしながら一日を過ごした。  クリーニング済みのスーツをクローゼットから出して調べ、撥水加工を施せないままでいるトレンチコートも取り出した。  誰もいない部屋の中に振動音が響く。 チカチカと瞬くスマホを拾い上げると、凪桜さんからだった。言葉は何もなく、画面には航空券のチケットを持った手。 俺は明日の日付のチケットの内容を読み取り、胸ポケットに収めた。  

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