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相知る温度(3)(side 真誠)

 止まらなかった。  狭いベッドの上に身体を横たえ、向かい合って。凪桜さんの手がうなじから髪の中へ差し込まれてくる。  ぞわっと逆立つ感触が全身に駆け巡る。ヤバい、この感触だけでもイキそう。  明日、凪桜さんが我に返って青ざめていたら、そのときは「何のこと? 夢でも見た?」そう言って笑えばいい。  自分たちはそういうずるい言葉で次の日を生き抜けるくらいには、醜い大人になっているはずだ。  でも、夢にされて本当に跡形も残らないのもイヤだ。  俺はそんなことを考えながら、凪桜さんの耳を舌で探り、耳朶を甘噛みした。薄く開く口には指を突っ込んで蹂躙するつもりが舐められて、指先にねろりと舌が絡む感触とそっと前歯が突き立てられるくすぐったさで身体が震えた。  自分の口から漏れる荒い吐息をそのまま凪桜さんの耳に聞かせていたら、張り詰めているところに凪桜さんの手が触れた。  一番触って欲しい場所に、最初から触ってくるなんてずるい。もうソコを刺激して欲しくてほかのことが考えられなくなるじゃないか。  凪桜さんの手に自分の硬さを押しつける。それだけじゃ我慢できなくて、腰を揺らして摩擦も得た。気持ちいい。甘い快楽が湧き上がってくる。 「凪桜さん……っ」 俺は凪桜さんのスウェットをまくり上げ、胸の色づきを口に含んだ。ふるっと凪桜さんの身体が震えて、頭を抱かれた。俺は舌をとがらせて、凪桜さんの乳首を飴玉のように転がした。さらには舌先で捏ねて、押しつぶして、溢れる唾液を何度も音を立てて啜りながら、なぶり続けた。  その間も、凪桜さんの手は俺の昂りをゆるゆると撫でていた。熱い息を吐いて、目を閉じて触覚に意識を集中させながら。  唾液で光った胸の粒を今度は指の腹で転がし、つまんで揺さぶり、ねじりながら、反対の胸の粒を口に含んで舌を立てた。凪桜さんの身体はひくひくと跳ねて、俺は凪桜さんの手に自分を擦りつけながら、夢中になって舐め続けた。 「真誠さん、しつこい」 軽く肩を押されて口を離すと、頬を真っ赤にした凪桜さんが照れくさそうに笑っていた。 「乳首、苦手だった?」 「そうじゃないけど、限度ってものがあるでしょう」 苦笑しながらするりと俺のスウェットを脱がせ、仰向けに寝かされて、今度は凪桜さんが俺の乳首を口に含んだ。 「うっわ、気持ちいい……」  無意識に目を閉じ、顎を上げた。  凪桜さんの舌先に転がされ、その甘い痺れはは血流にのって全身にむずむず響く。 「ん……。っは」 堪えきれずに声を漏らすと、凪桜さんは肩を震わせてくすくす笑った。 「やっぱりね」 「何が?」 「相手に対してしつこくする場所って、自分がしてほしい場所なんだって。当たってる?」 俺の顔を見上げながら広げた舌で舐められて、俺はうっと腹筋に力がこもり、息を吐いたあとに苦笑しながら頷いた。 「大当たり」

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