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相知る温度(12)(side 凪桜)
気がつくと抱き合い体を絡めて舐めあって、お互いの熱を放出し合って、その熱に包まれるような余韻に浸っていた。指一本動かしたくない気だるさのような、動かしたら消えてしまいそうでもったいないような。
自然に舐めたり口でいったりしちゃったけど、全然抵抗なかったことを思い出して、ふっと笑い声が漏れた。もしかして僕は気持ちよければなんでもいいんじゃないだろうかと。いや、そんなことはないな、他の男の人とか好きでもない人なんてアリエナイ! とぼんやりしていたら
「なんかおかしかった?」
と聞かれた。
「おかしくないけど。もう自分でするとか嫌だな」
「お互いにしたらいいんじゃない?」
「そうなんだけど」
僕は今日、うちに帰るんだよなぁ。って、性欲の為に真誠さんが欲しいわけじゃないから。
真誠さんの顔の横に頭を寄せて寝転ぶ。
「真誠さんは男の人としたことあるの?」
その言葉にびっくりしたみたいで、起き上がって僕を見て固まってしまった。何気なく変なこと聞いてしまったのかもしれない。
「ごめん、気にしないで。深い意味はないから」
別にそんな経験があってもおかしくない。今、僕も経験してる。あまり詳しくはないけど男同士だってセックスするというからな。でもそしたら僕達もそういうこと出来るってことか。
今したばっかりなのに真誠さんがエロ過ぎて変なことばかり頭の中で考えてしまう。
「真誠さんとならもっといろいろしてみたい」
中学生か……。いろいろって。
起き上がったままの真誠さんの首に手をかけて引き寄せながらキスをねだる。
「ねえ」
顎を上げて目を閉じる。離れたくない。もっとくっついていたい。少し待っていたら軽く唇を合わせて離れていってしまった。
「ケモノみたいにならなくてもいいから一緒に布団の中にはいろう」
真誠さんの頭をそっと包むように抱きしめて一緒に布団にもぐりこむ。
「言葉にならない時は言わなくていいから。僕は勝手に喋るけど違う時はさっきみたいに止めて」
髪を撫でながら、前の手紙に書いてあったことを思い出した。
「そういえば真誠さんは文通してるときに僕のことを好きだって書いてくれたね。今更だけどあれはこういう好きってことだったって気が付かなかった」
「……うん、気づいて貰えなかったなって。でもあの時はあれで良かった。嫌われなくて良かった」
「嫌わないよ。めちゃくちゃ好きだって!!!」
真誠さんの目を見て言うと、今度は思いきり抱きしめた。
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