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第4話
「…でも…秋月には…婚約者がいるでしょ?」
そうなのだ…リドル…秋月には婚約者がいる…
「え?」
「社長が言っていたよ」
「そんなの嘘です」
「え?」
「実は…父はあなたに特別な感情を持っている…貴方のことが学生時代から好きだった。でも…父の生家はご存知かと思いますが由緒ある昔ながらの家です。だから逆らえなくて母と結婚した…」
「でも…奥さまのことあんなに愛してらした」
「えぇ。始めは政略結婚とはいえ一緒にいるうちに大切な人になった。でもそれはまた違う感情なのです…父の中で貴方への思いはどこかで燻り続けていた…それが母が亡くなり再熱したのです」
「そんなことあるわけないでしょ?」
「いえ…母は父の本当の気持ちに気づいていた。だからといって咎めることもしなかった。母は貴方を思う父ごと愛していたから…
父は…ずっと…息子である俺に権勢してきたんです。まだあったこともない貴方にだけは手を出すな…そう言って…そこまで言うあなたと言う人物がどのような人なのか気になって俺はこの会社に入った。本当は継ぐつもりもないし父もそう思っています」
驚いた…社長の思いには全く気付かなかった…
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