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第6話

翌日。 起きると横に秋月がいて昨日のことが現実だったことを理解する この日をどれだけ待ち望んだのか…でも心には靄が掛かったままで… 「リドル…会いに来てくれてありがとう…」 そのまま書斎へ行き退職願いを書いた。 簡単な朝食を準備して会社へ向かう。 昨日出来なかった仕事は誰かか片付けてくれていた。 本当に…いい部下を持った… 部下それぞれの机を撫でて社長室へ向かい社長のデスクに先ほど書いたものを置き部屋を出た。 どこに行くのかは決めていない。でも僕は秋月の側にいてはいけない… 「夏。逃げるの?」 頭上から声がかかり見上げるとアミーが木の枝に腰かけていた 「アミー…」 「人間って面倒な生き物だね。いいじゃない?他がどうなっても長いこと待っていたんだから」 「あいつはもう僕の知るリドルじゃない。秋月晦日という一人の人間で僕だけのじゃない。せっかく命を貰ったんだ…僕のことはいいから幸せになってほしい」 「…偽善者…本当に…夏は人間らしい人間だね」 木から降りてきたアミーがいつもと姿を変える。 羽を仕舞い今人として目の前にたった。 「大丈夫なの?」 「あ?あぁ。昔より魔力あるからね。これくらい平気」 「そう」 「本当にあのわんちゃんと離れたいの?」 「…うん」 「ならついておいでよ。俺とデートしようよ」 アミーに手を引かれまだ人もまばらな街を歩く。 大の男二人が手を繋ぎ歩く光景なんて異様だろう 連れてこられたのは所謂ラブホ 「俺がもう戻れない体にしてあげる」 悪魔と契約を結ぶとその指示でなければ動けないただの人形…でも…それでいい… 「何でこんな場所知ってるの?」 「ん?よく使うから。俺は他から生気を貰って力つけるからね。人間以外でもいいんだけど人間が一番美味なんだよね。人間の中には本音と建前が存在してる。そこが面白い。表面で笑ってても世の中に対する不満を燻らせてたりね。その負の感情が俺にとっては最高のごちそうなんだ」 アミーとの初めての交わりはどこまでも甘く溶けていく… 「夏…いい顔だね…」 「アミー…」 「最高に可愛い…俺だけのになる?」 「な…る…っ…」 「そう…」 それを聞くとアミーは僕の中に大量の熱を放出した 「アミー…」 「…」 「泣いてる…」 「五月蠅い…泣いてない…汗だし」 「アミー…」 「夏のバカ…契約なんてできるわけないじゃん…俺は誰とも契約なんてしたくない…やだよ…」 「でも多くの人と契約したから力つけたんじゃないの?」 「人間との交わりは人間の食事と同じだよ…契約はね…ちゃんとまじないをかけて陣を契約者の体のどこかに焼き付けてそして相手の体液をもらう…そうしないと契約したことにはならない。俺はこれまで一度も誰にも陣は結んでない。…出来ないよ…俺だけの人形になんてしたくない…みんなそのために生きてるんじゃないんだもん…」 「…」 「ねぇ…夏…俺苦しい…本当に欲しいものは何も手に入らない…夏の心はもうリドルに捕われて…夏は一生リドルを愛し続ける…その心と共に俺は生きていくことは辛い…だから…無理だ…俺のに出来ないよ…ねぇ…夏…心から笑っていてよ…子供の頃のあのときみたいに…夏の…心からの笑顔がみたいよ…俺が愛したのは…それなんだから…ねぇ…夏…諦めないで…こんなに…俺たちにとっては一瞬でも人にとっては長い時間をずっと待ち望んでいたでしょ?ねぇ…本当の夏はどこなの?…帰ってきてよ…」 悪魔らしくない大粒の涙…子供みたいに泣きじゃくる姿…アミーはこんなにも… 「ごめん…ね…アミー…」 「夏のバカ…」

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