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第17話
そうして多くの試練を乗り越えた俺は輪廻転生した。
「この扉の先へ行けば新たな命となります。それと同時に夏さまだけでなくこれまでの記憶は全てなくなります。よろしいですね」
「はい。ミカさまありがとう」
そして重たい扉を明け外へ飛び出した
そして…秋月 晦日が誕生した…。
それからは沢山の人に恋をして沢山の人に愛されて…
でも何か欠けている気がして…好きだと思っていた人とうまくいってもやっぱり何かが違って…
…
「そうして…貴方と再会した。胸が高鳴った…胸がざわついた…あのさ…。父さん。俺は夏を…愛してるんだ…この気持ちはあんたには負けない。俺は…」
「…自力では記憶も思い出すことは出来なかったのに?本当に愛してる?輪廻転生のためとはいえ…急にいなくなり…夏を泣かせたのに?…それなのに…愛していると言えるの?記憶を戻してもらって…混乱しているだけじゃないのか?…まだ好きだって…あの頃の思いは変わっていないって…」
「違う!俺は…」
「…だったら先週ご挨拶に来てくれたお嬢さんはどうなる?お前がお嬢さんの目の前で…お前のその口で結婚を前提にお付き合いをしている…そう言ったんだぞ」
「…違う…あの人は…違う…」
「お前は…あと何人泣かせるの?」
…そうか…やはり…婚約者がいたんだ…僕には…そんなの嘘だと言ったのに…
「秋月…もういいよ。僕に囚われないで?大丈夫だよ。君は君の本当に愛する人と一緒に生きて?ね?」
「違うよ!夏!」
「ミカ…記憶は…消すのは可能?君が戻した記憶…」
「えぇ…可能です…」
「だったら…消してあげて?望さんの言う通り…きっと混乱しているんだよ…だから僕への思いの記憶は全て消して…僕の記憶も…消して?秋月晦日がリドルだって記憶…僕が…リドルを一人の人として愛してしまった記憶…体を重ねた記憶…お願い…お願いします…もう…耐えられないから…」
「いやだ!!やだ!夏…忘れたくない…嫌だよ…」
「秋月…幸せになって下さい…私は…貴方の幸せを願っている…」
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