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第19話

今日は社長に誘われて食事に来ている。 秋月がやって来て半年ほどたっただろうか? 最近社長と距離が縮まってきた気がしていた。 中学時代。社長…望先輩は学校中の憧れの的だった。 あの頃の僕はリドルを亡くして立て続けに家族を亡くして…一人になり引き取り手もなかったため施設で暮らしていた。 元々人見知りで友人と呼べるものはなく…かといっていじめにあうでもない。何かと世話したがる子もいたんだけど表面上の付き合いだけで心を開ける相手はいなかった。そんな感じだからか一人で本を読むことが好きでみんながあまりなりたがらない図書委員になった その日の係りじゃないときも図書室で過ごすことが多くて。 そんなとき初めて先輩と話した。 「紺青くん?だよね?」 「はい。」 返事をすると先輩は柔らかい綺麗な笑顔を向けてくれた その日を切っ掛けとして先輩は部活がない日などはいつも図書室にきて僕の相手をしてくれた。 先輩と僕の本の好みが良く似ててそれもあってか徐々に先輩との距離が縮まり友人という立場になれた。 そうして過ごして行くうち僕には友情以上の感情が芽生えつつあった。 このままではいけないと思いそれ以上は近付くまいと必死に自分の気持ちに蓋をして先輩が卒業するのと同時にその後会うこともなくなった。 そして高校卒業後入社した先で先輩と再会を果たした。 あの頃の想いが再熱したのはすぐのこと…でも先輩は綺麗な女性と結婚し可愛い男の子をもうけた。 打ち明けられないまま僕の初恋は消えた。 ミカ&アミーside 「ねぇ。ミカ…記憶都合良く繋げたはいいけど…わんちゃんへの想いを…全部あの人に変えて良かったの?」 「…だって…そうしないと…リドル様がご結婚されるとなった場合…夏さまが傷つくでしょ?それなら…夏さまを幼い頃から愛しているあの人を愛した方が夏さまは…幸せになれるのではないかと…そう思って…」

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