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第20話
ホテルの最上階にある夜景の綺麗なレストラン
「社長。お話とは?」
食事を終えそっと語りかける
すると社長が僕の手に手を重ねてきた
「夏…名前で呼んで?…」
「望さん…」
名前で呼ぶと嬉しそうに頬を染める社長。最近はそれが可愛くて仕方がない…
「夏…俺と…恋人になってくれませんか?」
「…はい…僕は…初めてあったときから…あなたのことが…」
「そうなのか?嬉しい…俺は一度結婚した…でもね…本当はずっとずっと幼い頃から君の事を愛してた…中学の時…君を見つけた時は運命かと思っていたんだ」
「え?」
「実はね夏と出会ったのは中学の時より少し前なんだよ?覚えているかい?あの日はとても寒い日でね君は飼い犬と一緒に河原で散歩してて。その時近くで遊んでいたらボールを川に落としてしまったんだ。そのボールをわんちゃんが拾ってきてくれて。その時笑顔でボールを渡してくれた君に一目で恋に落ちたんだよ。名前を君から聞いた直後連れに呼ばれて…ゆっくり話せなくて後ろ髪引かれる想いでその場を立ち去った。だから…見つけた時はすごく驚いたしどうやって仲良くなろうって柄にもなくうきうきしてね。でもあるときから君の態度がよそよそしくなって…俺の気持ちに気づいて気味悪がられたんだとそうおもっていたんだ…無理矢理君への想いを忘れようと頑張って…卒業してからは多くの人とお付き合いしてきた…」
先輩から聞かされることにいちいち驚いて…あぁ…もっと…もっと貪欲にあなたを求めていたらもっと早く…でも過ぎたことは仕方がないから…
長い長い片想いは突如実を結び…とても幸せで…
僕は…確かに望さんのことが好き…愛してる…
…でも…何か違和感がある…
でも今は…それが気のせいだと思うことにして…幸せを噛み締める。
長い長いお互いの想いは一気に距離を詰め…その日のうちに僕たちは初めて体を繋げた…
ミカ&アミーside
「…夏…」
幸せそうによがり狂う夏は恐ろしく綺麗で…でも…それは…わんちゃんに向けていた強い強い想いの形…
「…幸せそうです…」
「そうは見えない…夏は何か違和感を感じてるよ…何年見てきたと思ってるの?そんなの…ミカだって…わかるでしょ?」
「でも…もう…思いが交わることは…ないのです…」
「お前の裁判いつあんの?」
「明日ですね。私はおそらく悪魔以上に低俗なものへとなるのでしょう…多くの禁忌を冒したのだから」
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