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Episode II

さくら商店街と呼ばれる駅前にあるお店の立ち並ぶ場所が、オレの実家で1階が野菜を販売する店舗の二階建ての家だ。通学が楽だからと東陵へ進路を決めた。 西と悩んだが、チャリで通えるのが魅力的だった。部活などは盛んだがオレは専ら帰宅部だ。 まだ1年のオレはA棟の4階で、天文部の横にある5組がオレのクラスだが、友達はいない。恐らく現実と思える今の生活では、オレは根暗な地味男なのだ。 目の色が薄く緑がかっていて、髪も薄い色合い。皆からその色素の薄さをからかわれていたから、真っ黒な髪と目を持つ人はちょっと怖い。 A棟とC棟の間にある中庭の周りにある花壇の一角でこの通貨を拾ったのは、入学してすぐだった。もう少しで2年に上がる。その前に探し出さなければ、3年だったら卒業してしまい、会う事も出来ない。 このコミュ障がどれだけこの世界で通用するかはわからないが...頑張ってみようと、昼休みは雨の日以外は落とした人を見つけようと、そこにいる。 と言っても24時間オレの脳は目覚めた状態が続いてて、眠りに落ちる瞬間しか寝た...という感覚がないが、それでも寝不足の感覚はないのが不思議だ。 吉田(よしだ)晴也(せいや)それが、オレの名前で背は175センチ。もう少し身長が欲しいなと思ったが、家族は皆ちっちゃい者クラブに所属してるのではないかと言う程小さい。 なので、オレは出世魚かのように自宅では1番高身長を誇ってる。それはさて置き学校の生徒達はなんだかんだと遊んでいるがどうも通貨を落としたような人は見つけられなかった。 たまには先生も中庭で生徒と食事をしたりするし、用務員も花に水やりに来るし、生徒だけに絞るのもどうなのかなと思った所で昼休みが終わりの鐘が鳴った。 そして無駄に一日を過ごして自宅へと戻り、夕飯を食べて風呂に入るとすぐに眠る。テレビも見ないし、最近の歌も知らない。そんな楽しみのない生活はもう中学の頃から毎日やっている。 ちなみに、体調を崩してももうひとつの世界では元気で、家で休んでる時はこっちの世界で走り回ったりしている。 「寝るね」 「晴也おやすみなさい」 家族との会話はこれだけだ。 部屋へと戻りベッドに腰掛ける。通貨はオレの首から革紐で吊り下げた袋に入ってて、それをいつでも出せるようにしてある。中から出して、その通貨を眺めた。 「なんでこの世界にあるんだよ...」 購買で試したが、コインが混ざってると返された事がある。だから、この世界では使えないし、ある訳のない物なのだ。 その通貨が、現実と夢の世界を曖昧にしてしまっているのだ。 ...................................................... 眠る瞬間に、男の人が立ってた...身長も高く、髪を後ろで括ってたけど...誰かに似てた。 目を開けば、朝方寝転がったソファーの上だった。無造作に起き上がり、ドアを開けて隣の小屋へと行けば馬や羊がオレを見た。 「来たよ」 そう伝えて、昨日のうちに集めた餌をストレージからドロップするとあっという間に草が束で出て来て、食事は終了だ。 部屋へ戻る前に郵便箱を開けると依頼書が1枚入っていた。 『ドラゴンスレイヤーより、ご依頼が届きました』 と見出しに書かれていてそれを開くと、1人のごついお兄さんが腕を組んで立っているフォログラムが現れた。 「氷河のドラゴン討伐に、参加者を募りたい!!ドラゴンのドロップは山分けとなる!さあ行こう!氷の世界...」 全て聞き終わる前に閉じた。 こういう宣伝はよく入るので、すぐに暖炉へと投げ入れると、一瞬で消えてしまった。

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