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Episode Ⅹ

サブはどうやら、悩み中らしく溜息を吐いては、憂い顔をしている。 いや...なんか喋ってくれないと、オレはなんも答えられんしわからんぞ?あの話題を振ってきたってことは、想像つくが...それがサブの言いたいことかまではわからんしな? 「吉田ぁ...ギルメンが辞めるんだと」 やっぱりか。 「そうか」 「寂しいよな...こればっかりは慣れない」 「そうだな」 慣れてたまるかよ。オレだってそれが嫌で仲間を作らないようにしている。 それに、待っている間に疲れ果てるより先に辞めると言われた方が何十倍も気は楽だ。 「吉田は、アレだよな...こういうのが嫌で1人なんだろ?」 それだけじゃない... 「縛りたくないから...オレがいるから辞められないと言われたくない」 コレでも最初はそう言われて嬉しかった...でも、見てても楽しそうではなく、ただオレにログイン確認してその後は放置だ。 そんなの、嫌じゃないか? オレは段々それが疎ましくなって、やめたいならやめていいと伝えた。 つまらなそうにゲームするヤツらを見てても楽しくはない。 「そんなもんか」 「そんなもんだよ」 「今新しいゲーム色々出てきてるもんな」 世はまさに、オンラインゲーム時代!! 「そうだな」 風は気持ちよく頬を撫で、花はその風に揺らされて揺らいでる。 オレはやめたくてもやめれない、飽きてもログインしない選択は出来ないんだ。 「俺さ、辞める子の事ちょっと気になっててさ...性別もわかんねぇのにハマりこんでちょっと切ない」 あー好きだったって事か...でも、普通にあるからな。別に悪いことでもない。 恋愛感情なんて持ってしまったら、この先どうしていいのかわからんくなるのも...経験済みだ。 「そうか」 慰めの言葉なんて持ち合わせてないから、そういうので精一杯だった。 ゲーム内でなんて、バカだろ?と言われるが全然そうじゃないんだよ。 相談に乗ったり、一緒にいて遊んだり、気が付けば恋心が膨らむのも普通にあるだろ。 「サブ、お前もロスるんか?」 こいつも辞めてしまったら、オレはもう完全なる隠居生活しかしないんだろうな。 「...俺は、それは無いけど、まだまだやりたいこともあるしな?でも、いつかはそういう日が来るのかもな」 寂しいよな...確かに、飽きたゲームをいつまでもはやらない...運営が頑張ってイベント沢山やってくれとしか願えないな。 そしてこのゲームが終了したらオレは一体どうなるのか。そんな事を考えてたら急に起き上がったサブがオレをじっと見るからなんか居心地悪くなった。 「なんだよ」 「吉田は、ニホンだよな??」 恐らく日本かと聞きたいんだろう。だから、答えた。 「そうだな」 「俺も!俺も!なぁ、会えな...」 はい、強制で音消された。 犯罪も増えてるから、変に居場所を探るような問答は言葉が相手に伝わらない。 多分〝会えないかな〟との問いかけだろうが、このゲームのセキュリティの有能さに挫折する奴らが多い。 「バカエルフ」 「うぅ...」 寂しくなったんだろうけど、諦めろ。オレも諦めて来たんだから。 聞くならもっと狭めろ!そして絞れ! サブがガックリと肩を落としているけど、オレもアンタにMONを返したいんだよ! ほんと近くに居るのにもどかしい。 やっぱり探すしかないのか... 「制服?」 「あ?...なんの事だ?」 そうかそうか、オレの探りには気付いてくれないのかよ!てか、オレの学校は学年でタイの色が違うから学年だけでも絞れると思ったのに!!!

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