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EpisodeⅩⅡ
突発イベントは、ギルドの奴らは大体はお祭り騒ぎになる。
今日はギルマスのサブを連れ歩くのは無理だと踏んで、馬に餌を食べさせた。
突発イベントの方は、見に行くのはいいが、サブに見つかれば強制参加になる。
目的が無い場合は、こっそりひっそり過ごすのが良いと、ストレージから飲み物を取り出して喉を湿した。
『 サブより、召喚申請が届きました』
「は?!アイツINしてたのか」
それより何より挨拶もなしで召喚かよ!
オレは個人チャットを開いてメッセージを送る。
吉田>なに?イベなら参加しないぞ?
サブ>吉田、聞いて欲しいことあってさ...
吉田>なんだよ
サブ>そっち行っていいか?
吉田>(´・д・`)ヤダ
サブ>吉田の冷たさが辛い...
吉田>200階層だったらいいぞ?
イベントしていたら絶対来れないはずだ。
サブ>イベントのチーム分け終わったら行く
どうやら今回は、行かないでオレのところに来るって事か。
吉田>久しぶりに狩り行くから装備しっかりしてこいよ
ついでだから、狩り誘ってやろう。
てか、さっきの目論見通りダンジョン攻略なんだが。
なんだかんだと15分ほどで、随分と輝かしい装備のサブがやって来た。
エルフは身軽さがウリだから、真っ白のローブを着込んでいる。
「よー」
ポータルのそばで、ぼーっと座ってたから、オレを見つけるなり走り寄ってきた。
「吉田!狩り行くのか!?」
「ん、ここから下の階に行く」
「え...あーヒーラー必要?」
「いらんよ、ポーション持ってきたしここから下は、バフ売り場もある」
バフとは付加スキルの事で、有効期限はスキルによって違うけど、エルフの持つ俊足魔法はかなり重宝する。
「バフ売り場...なんてあるのか?」
「...この下は行ってないのか?」
この次の階層から、バフ売り場がポータル前とダンジョン中間とで一つづつあり、アイテム売り場も出てくるんだが。
「ここで精一杯」
「レベルは?」
「95だよ」
随分といい装備付けてんのな...95なら、150位が妥当だろうに。
オレはパーティー申請を送るといつまで経っても、了承されずに首を傾げた。
「なんだよ、前に狩りいこう言ってたろ?」
「えっと、あの...オレでアンタの背中護れるか?」
まだ...無理だな。
「守るかどうかじゃなく、行くか行かないかだ」
こりゃ、ダンジョン攻略よりも先にサブのレベ上げだなぁ…。
行く!と力一杯の了承とパーティー作成成功が同時に出たのでオレは立ち上がり階段へと向かう。
階段の前でオレの持つ、盾スキルと、持続的にマナを回復してくれるバフを掛ければ、サブからも足早のスキルと、的中スキルをバフして貰う。
「ここの下めちゃ湧きしてっから、いきなり重いし動き悪くなると思うから、とりあえず黙っとけ」
「お、おう」
オレはソルジャーだから、対応出来るが中距離のサブには荷が重い場所だ。
「いいぞって言うまで降りてくんなよ?」
そう忠告して、オレは範囲魔法をすぐに打てるようにセットし階段を降りた。
ここから下の階層はほとんど人も入らないから、狩場としては最適なんだよな...ポーションの消費も多いけど。
オレは周りを見渡して、とりあえず範囲を打ち、ある程度片付けるとサブを呼んだ。
さて...サブはどこでギブアップするかな?とにやにやしながら、ポータルから出た。
ここからは時間の問題で、また、次々と湧いてくる。早く進まなければまた囲まれてしまうのだ。
「行くぞ」
オレの掛け声に、サブも背中に背負っていた弓を持ちついてきた。
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