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しんどい
楽しい時って何でこんなに時間が経つのが早いんだろうな──
あっという間に三年に上がり、新しいクラス発表。見事に俺ら三人はクラスが離れてしまった。とりあえず気の合う奴と一緒になれたからつまらなくはなかったけど、圭ちゃんと違うクラスになってしまったことで俺はかなりやる気を削がれてしまっていた。
学校が面白くない…… 圭ちゃんと離れてしまっただけで、こんなにも寂しいという感情が湧いてくるなんて思わなかった。毎日教室に入れば、圭ちゃんの笑顔がある。それが当たり前だったのに……教室に入ったって圭ちゃんの姿は見る事ができない。下校時間こそ待ち合わせて三人で帰っていたけど、それだけじゃ全然物足りなかった。
日に日に圭ちゃんのいない教室が寂しくなる。休み時間とかで圭ちゃんの姿を見つけても、他の奴と親しげに話している様子を見て声をかけにくくなってしまう。
胸が苦しいんだ……
俺と一緒にいる時と同じ笑顔を他の奴に向けているのを見ると、嫉妬で叫びたくなってしまう。妬ましい。悔しい。羨ましい……
しんどい。
やっぱり俺は圭ちゃんのことが好きなんだと再認識される。大勢の友達の中の一人だなんてそんなのは嫌なんだ。俺だけが特別になりたいのに……そんなの絶対叶わない。
些細なことでヤキモチ焼いて、胸がキューってなる度に圭ちゃんから離れて深呼吸する。何度も目で追いかけて、追いかけても追いかけても目は合わなくて……たったそれだけのことなのにどうしようもなく泣きたくなる。
圭ちゃんだって男なのに……
こんなになってる俺、やっぱり気持ち悪いよな。
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