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限界
休みの日も何にもやる気がしない。家にいると、学校に行く気がますますなくなる。
午後、靖史がうちに来た。部屋に入るなり「最近どうした?」と聞いてくる。やっぱり勘のいい靖史は俺の様子に気がついていたんだ。靖史なら何でも相談できるし今までだってずっとそうしてきた。でもこればっかりはやっぱり言えない。引かれてしまうのが目に見えていた。引くだけならまだいい。もしかしたら「気持ち悪い」なんて思われてしまうかもしれない。そんな事になったら友達ですらいられなくなってしまう。これまでの付き合いがなくなってしまう……
そんなの絶対嫌だ!
どうしよう…… 辛くて苦しい。靖史に全部打ち明けてしまいたい。話して楽になりたいと思う自分もいた。
でも怖くてできない。……俺から靖史が離れていってしまうのが怖い。俺は靖史の顔が見られなかった。
泣きそうだ──
「陽介さ、お前が何を悩んでるのかは知らないけど、俺にそれ吐き出すのがそんなに嫌か? 言ってくれなきゃ俺、陽介のこと、助けてやれねえよ?」
靖史が心配して俺の顔を覗き込んでくる。涙が溢れてしまいそうで、どうしても顔を上げることができない。
「お前さ……もう限界いっぱいなんじゃないのか?」
靖史の優しいいつもの声。
そうだよ! 俺はもう限界いっぱいいっぱいなんだ……
視界がぼやける。
ダメだ、涙が落ちてしまいそう。
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