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進路

靖史に話を聞いてもらってから、俺は少し吹っ切れた。 靖史がこんな俺を理解してくれた! それだけで、すごい安心できた。 ありがとう── 圭ちゃんのいない教室は相変わらず寂しいけど、また前みたいに圭ちゃんに接する事ができるかな…… これからは辛くなったら靖史に相談できる。それだけで十分気持ちが楽だった。 最終学年ともなればいよいよ高校受験の話が身近になる。 「陽介は高校どうするの? どこ受けんの?」 「ん……箕曽良高? かな。家から近いし」 靖史とお互いの進路について話をするようになった。俺はもう行きたい高校は決めていた。 「ふぅん、そこ男子校じゃね?」 「なんだよ、別に男子校だから選んだわけじゃねえから! 制服よさげだし?……だからそこにする」 靖史は少し首を傾げる。何となく靖史の言いたいことがわかる気がした。 「いや、正直言いたいのはそこじゃなくてさ……何で圭と一緒の高校受けないの? 俺も圭と同じ高校受けるけど、お前だって知ってんだろ?」 やっぱりそう思うよな。でも圭ちゃんと同じじゃダメなんだ…… 「うん。考えたんだけどさ……この先万が一圭ちゃんに気持ちがばれちゃったらって思ったら、圭ちゃんに嫌がられた状態でそばに居続けるなんて俺には到底出来ないと思って。なら、はじめっから離れてた方がいいじゃん? 俺、圭ちゃんに避けられるとか、考えただけで死にたくなる……」 靖史が俺の言い分に益々首を傾げた。 「それ、ダメ限定で話してる? 圭だって、お前のこと嫌がるなんてしないと思うぞ。そんな器の小さな男じゃないだろ? 圭は。はっきり気持ち伝えても平気なんじゃないの?」 簡単に言ってくれる! 思わず笑ってしまった。 でも確かに圭ちゃんは器のデカい男だと思う。そんな偏見なく俺のことを見てくれるとは思う。それでもやっぱり、好きな気持ちと同じくらい、怖いって気持ちも大きいんだ。 ….…いいんだ、これで。 今の「大切な友達」というポジションを壊したくない。 そう、このままでいいんだ。

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