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第6話

「苅田さん!起きてください!」 声をかけられながら身体を揺すられ、京介は一気に目を開けた。ここはどこだ!?と、豪華な天井を見て一瞬思ったが、すぐにバイト先だと思い出す。そして、それと同時に昨日の夜のことも思い出した。 「うぇい!!」 「あぁ。やっと起きた。もう、とっくのとっくにバイトの時間終わってますよ」 「え、うそ!?」 「はい。ほら、もう朝の8時です」 昨日会った雇用主が差し出してきた時計を見れば、確かに8時を示していた。 俺、スッゴいぐっすり寝てたじゃんと京介は思ったが、腰の痛みで当たり前だと自覚する。 そう。京介は昨日、助けてくれた男にすべて捧げたのだ。たった1つ、童貞意外は。 服を剥ぎ取られ、トロトロに溶かされて。最後には、自分から男の存在を求めていた。もっと、もっと奥まで!と。 忘れていたら良かったのにと思ったが、すごく鮮明に覚えていた。 「あ!そう言えば、あの男、」 「あぁ。ここを借りられてた方ですか?でしたら、もうとっくのとっくにお帰りですよ」 いろいろと奪っておいて、勝手に帰っただと!?いろいろと怒鳴る気満々だったが、いないならしょうがないと諦めることにした。 「それよりも、早く苅田さんも帰ってもらっていいでしょうか。これバイト代とあの方から預かっているチップです」 「あの方って、ここの、」 「はい。昨日は楽しい夜だったと言ってましたよ」 そう言って、雇い主からバイト代とは別にボンと札束を渡された。これはずっしりと思い。 「え?こんなにいらな、」 「いいから、貰っておいてください」 ニコリと笑った雇い主の顔が怖くて、京介はコクコクと頷いていた。 「でも、あいつの頭についてた耳、動いてたよな」 昨日のことを思い出しながら、京介は考える。男の頭につけられいていた、コスプレ用のオオカミの耳が動いた理由について。 そう。京介といろいろヤッている最中でも取らなかった。尻尾も同様に。 何でだろう、何でだろうと考えてみた。だが、すぐに考えるのを止める。 考えるだけで、昨日のことを鮮明に思い出すのだ。自分の乱れ具合とか、男の色気とかいろいろと。 思い出すだけで、身体の奥がグチュリと音をたてるのだ。 「あーもう!やだやだ」 どうせ昨日だけの関係だと思うことにして、京介は急いで自宅へと歩いていった。 END おまけ 「どうだった?1年ぶりの人間界は」 「どうって、あぁ。面白いもん見つけた」 「面白いもん?」 「そうだ。まぁ、近いうちにここに連れてきてやるよ」 クマさんのイラストがプリントされた幼女パンツの匂いをかぎながら、オオカミ男は捕食者の瞳を浮かべた。

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