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過去

俺は小・中学時代に酷いいじめを受けていた。 はじめは名前をからかわれるという単純なきっかけだった。 俺の名前は:五十嵐 快(いがらし かい)何がいけなかったのか、今になっては分からないが名前を使ったからかいがどんどんとエスカレートとして行き、気がついた時には俺は格好のイジメの標的となっていた。 「また無い…」 切っ掛けはほんの些細な悪戯だったのだろう。 上履きや教科書隠しにはじまり、机への落書きはまだかわいい方だった。 「うわ~。イガラシキモーイ!!」 「キャハハ!!ヘンタイじゃ~ん」 女子の前で服を脱がされてのフルチン刑。 逆らえば殴られたり蹴られたり、バケツで水をかけられたりする。 「ほら早く勃起させろよ~」 「小さくてボッキしててもわかんないぜ?」 罵られながらの部室での全裸自慰など、一通りの事はされたしやらされた気がする。 それでも学校に通い続けたのは親を心配させたくなかったという思いだけだった。 「先生に言えると思うなよ?」 「こいつがチクれるわけないだろー」 嫌がらせやイジメは当然大人の見ていないところで行われたし、殴る時も目立たない様なところを狙われる。 当然虐めている奴等にビクビクする毎日で、少しでも目立たない様に過ごしていた。 教科書には落書きやページが破かれていたりするので、そんな状態で学業に集中などできる訳もなく当時の成績は散々なものだった。 反対に俺を虐めて居た奴らは良い成績を取り、有名進学校に進み、その後も順調な人生を歩んだようだった。 俺は高校では良い友達と教師に恵まれ、大学まで進み、何とか夢だった教師になった。 そんな俺が受け持ったクラスの生徒の中にいたのが、俺を虐めていた主犯格の息子の雅也(まさや)だった。

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