「やれやれ、ようやく俺の番か」 　たっぷりと精を放ち、肩で息をしている伊佐殿を脇に退かせると、幻殿がのっそりと腰を上げました。そして、着流しの上に纏っていた羽織を脱いで私をそこに横たわらせると、あっという間に私の帯を解いてしまいます。とうとう、身につけているのは足袋だけという姿にされてしまいました。 「あ……っ……はぁ……」 「良い顔だな、お坊様。……それにしても、まぁいやらしく躾けられちまったもんだねぇ。決まった男はいねぇのかい？」 「あ、あ、あっ」 　伊佐殿の性液を掻き出すように、幻殿の指が私の尻穴を撫ぜ回します。 「おり、ません……そんな、ものは……」 「へぇ、もったいねぇ。お前が居着いてる村の男どもは、まるで見る目がないらしいな」 「そ、そんなことは……っ」 「欲しかったんだろう？　ほら、どうだい？」 「あ……あ」 　しゅるりと褌を解いた幻殿の股座から、ぬ……と雄々しく長大な逸物が姿を現しました。 　それはあまりに凶暴な大きさで、思わず腰が引けてしまいます。ですが、裏筋に浮かぶ血の管が、びくびくと物欲しげに脈打っているのを見て、幻殿がここまで堪えてこられた欲求を感じ、胸と腹がきゅうんと喜びに震えました。 　若い陽路殿の筆下ろしや、嗜虐的な伊佐殿の行為を眺めつつ冷笑を浮かべていたわりに、幻殿の鈴口からはとろりと先走りがあふれていて、すぐにでも私を犯してしまいたそうに見えるのでございます。 「こいつらのおかげで十分準備はできてるな。……おい、四つん這いになって尻を高く上げろ」 「ふぁ……」 　腰を引っ張り上げられ、獣のように四つ這いにされると、顔の前に伊佐殿の陰茎が差し出されました。ついさっきまで、私の中で暴れていた其れは、まだまだしっかりとした硬さを保っておいででございます。 「まだまだ収まらねぇよ。俺のもしゃぶれ」 「あむ……ンっ……」 「ふはっ……お口の方も上手じゃねぇか。とんだ助平坊主だな、男の喜ばせ方を心得てやがる」 「ふむ、んッ……ん……ァっ……！！」 　ゆっくりと口内に抜き差しされる魔羅の味に酔っていると、ずん……！！　と深く尻穴を穿たれました。 　膝立ちになった幻殿がゆっくりとした動きで、ずん、ずん、ずん、と私の中を蹂躙し始めているのです。あまりの衝撃に、私は思わず伊佐殿の魔羅を口から離してしまい、撓(しな)った伊佐殿の逸物で、びたんと頬を叩かれてしまいました。 「おい、幻！　加減しろよ馬鹿野郎」 「おっとごめんよ。あんまりにもいやらしい眺めだったもんで、ついつい腰が動いちまった」 「あ、ああ、あっ！　ぁ、ん、あっ……！！」 「ははっ……こりゃあいい。お坊様のここは、ご立派な雌穴だ。……ハァ……ッ、たまんねぇな」 　これまでに二度も犯されているというのに、幻殿の逸物は、私の中を余すところなくみちみちと満たしています。まるで、熱く焼けた棍棒で掻き回されているかのような感覚で、そこから湧き上がるのは、あまりにも苛烈な快楽でございました。 「あ、ぁんっ……ふといの、はいって……っ……ぁあ、あっ、あんんっ、ん——！！！」 「おいこら幻、てめぇのせいで上のお口がすっかりお留守だ。ったく……」 「細けえこと言うなって。見ろよ、お坊さまときたら潮吹いてやがる」 「ほら、いきまくりの助平坊主、ちゃんとこっちもしゃぶりやがれ」 「んっ……ふぅっ……！！」 　ぐっと後頭部を手のひらで固定され、無遠慮に抽送される伊佐殿の肉棒を傷つけぬように気をつけながら、私は必死で奉仕致しました。 　前からは伊佐殿に貫かれ、後ろからは幻殿の激しい突き上げ……。あまりの淫らなおこないに、私はすっかり夢中になっていたようです。しかも、いつの間にやら陽路殿も私の傍にやって来て、再び硬くしこった逸物で、私の胸をくいくいといじめはじめるではありませんか。 「すげぇ……っ……幻兄に犯されてんのに、伊佐兄の魔羅をうまそうに……」 「がきんちょのお前には、刺激が強すぎたか？　あははっ。あと何遍犯れるかな？」 「もういっぺん……？」 　ごくりと息を飲む陽路殿を見て、伊佐殿が私の喉を突きながら笑います。すると、私の胸を擦る陽路殿の屹立が、いっそう硬くなるのを感じました。 「ふぁ……めちゃくちゃ腰振ってやがる。すげぇ……ハァ……早く、もう一回挿れてぇよ……」 「ふぅっ、ん、ん、ん、っ……！！」 　――すごい……っ……みんなで、よってたかって私をっ……求めてくださって……！　男の精のにおい……あぁっ……なんて、いやらしくて、獣じみてて……あぁ、っ……また、またいっちゃう……ッ……！！ 　自ら腰を振りながら、口を窄めて伊佐殿の肉棒を味わい尽くします。そのうち、どくっ、どくっ……と伊佐殿の興奮の味が喉の奥に広がるのを感じながら、私は上目遣いに伊佐殿を見上げました。 「ん、んっ、ぅっ……！！」 「おいおい……こんなことされてんのにまぁた達したってのかい？　あははっ……すげぇな」 と、たっぷりと私の喉に放った伊佐殿が、ずるんと魔羅を引き抜きながら嗤います。 　すると、待ってましたとばかりに、幻殿の腰の動きが激しさを増しました。しかも、べしん！　と尻たぶをひっぱたくものですから、私はその刺激で、また軽く達してしまいした。 「ああっ……！！」 「おい、まだこっちは終わってねぇんだ。気ぃ抜くんじゃねぇ」 「ごめ、なさ……っ……」 「……ふはっ、締まる締まる。いったい何人の男を咥えこんで来たんだ？　とんだ淫売坊主だぜ」 「あ、あっぁっ……」 　じゅぷじゅぷじゅぷと、あざとらしくいやらしい音を立てるように、幻殿が小刻みに抽送します。腰を掴む大きな手はすっかりと汗ばんで、熱と興奮を肌からも感じ取ることができました。 　張り詰めた先端が良いところをぐりぐりと掘られていたかと思うと、今度はずん！！　と深く深く抉られて、私はあまりの快楽に我を忘れて、甲高い悲鳴をあげてしまいました。 「好い声で鳴くじゃねぇか。もっと鳴いてみろ。おら！　鳴け！」 「あ、あんっ……！！　ひぁっ……ぁ、ん！　おくまで、あたって……っ、こんなの、はじめてで……ハァっ……あ、あんっ……！」 「へぇ、男を煽る台詞も達者だな。ははっ、可愛いぜ、あんた」 「あ！　あ！　ああっ……ンっ……！！　ふとくて、かたくてっ……ぁあん、きもちいい、きもちいいよぉっ……！！」 「くっ……たまらねぇ雌穴だぜ。……はっ……そろそろ、出すぜ」 「はいっ……はいぃっ……わたくしの、なかに……いっぱいだしてくださ……ッ……ぁ、ぅうンっ……！」 　仕上げとばかりに、激しく腰が打ち付けられ、ばちゅばちゅばちゅっ！！　と濡れた肌と結合部が水音を発しています。 　そして幻殿は私の両腕をぐいっと後ろに引っ張りながら、一番奥深くまで嵌め込んで、誰よりもたっぷりと、私の腹へ精を注ぎました。 「はぁぁあ——っ……！！」 　目が眩むとはまさにこのこと。 　視界がちかちかと白く瞬き、正気を濁流のような快楽で押し流され……。 　そこから先のことは、正直よく覚えてはおりません。 　すっかり気をやってしまった私の中に、代わる代わる誰かの肉棒が押し込まれ、そのたび私は、はしたなくも淫らな嬌声を上げ続けました。 　感じるのは、ただ悦びだけ。 　求められ、与えられ、彼らから注がれる情と熱に浮かされて、ふわふわとした浮遊感に揺蕩ううち……。 　私はいつしか、すっかり気を失っていたようでございます。