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第128話
「マジ?」
面白そうに笑うアキラ。
「…いや、俺がしたくてやったわけじゃない…、姉さんが、その時好きだった女キャラクターに似た恰好を勝手にさせられただけで…姉さんの遊びにつきあわされただけだから…」
好きでやったわけじゃないと、誤解されないよう、なんだか言い訳のように慌てて言ってしまう。
「ふーん」
そんなみずきを見つめ、意味深に頷く…
「う…」
困って言葉に詰まっていると…
「まぁ、可愛いもんだよな…子どもの遊びって」
ふっと微笑んで…言葉を繋ぐ。
「アキラ…」
「そういう方が全然いいよな、金もらってセーラー服とかドレス着るよりは、」
何気に言うアキラの言葉に少し驚いて…
「セーラー服着たのか!?」
そう問ってしまう。
「えっ?着ただろ?」
アキラはすぐ聞き返すが…
「いや、着たことはないよ…浴衣や着物はあるけど…」
「うそー…マジ?じゃ、ドレスとかも着てないのか?…みんなやるんじゃねーのかよ」
初めのうちはみんなコスチューム撮影するんだろうと思っていたアキラ、ちょっとショックを受けている。
「少し見たいかも…」
そこでタイミング悪く呟いてしまうみずき。
別に女装に執着はないけれど、セーラー服を着た昔のアキラはどんな風だったんだろうと純粋に興味が湧く…
「…みずきぃ?」
アキラが睨むと…
「あ、ええと…アキラは特別可愛かったから、他の性優より着せかえさせられたんだよ」
みずきは機嫌をとろうと褒めたつもりが…逆に可愛いと言われてムカっとするアキラ。
「…んだと!」
つんと睨み返す。
「あ…いや、すまん」
みずきは弱ってやはり謝ってしまう。
「ふ…でもまぁ、貴重な体験っていやーそうだろうけど」
そんなみずきをみて微笑んで、また歩きだしながら続ける。
「…確かに…けれど着物なんかの撮影の時は苦労した、勝手が違うから脱ぎにくいし脱がしにくい…」
みずきは、からかわれただけだと安心して、BOUS時代を思い出し、首を傾げながら話す。
「はは、お前でも苦労することあるんだな…撮影で、」
みずきは演技がうまかったから…
「あぁ、いつも苦労していた、特にサクヤとの撮影は…」
そっと言葉を付け加えるみずき。
「オレがヘタだから?」
アキラは立ち止まり、みずきの方を振り返り…瞳を見つめ問う。
みずきはゆっくり首を振り…
「ちがうよ、上手下手ではなくて…」
分かって聞いているようなアキラにも優しく答えるみずき。
答えを待つアキラの栗色の髪に触れて…
「アキラを手荒に扱わなくてはならなかったから…感情を抑えるのに、苦労した」
最後の方はサクヤとの撮影は決まって強姦系の話だったから…
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