そして、一行は健次の病院に到着する。 「みんなで来るのは初詣以来かな？」 コウジが先頭を歩きながら聞く。 「だろーな、っていうか渡すもん渡したらさっさと帰るからな、迷惑になる！」 後ろの方を歩いていたアキラはまだ心配しているようでツンと言葉にする。 「大丈夫だよ、アキ兄、そのくらい皆注意できる歳だしね、」 コウジがなだめるよう言う。 「そうそう、邪魔はしないって、また子ども達と遊びたいなぁ、けんじ先生驚くかなぁ？」 ルードはワクワクして言っている。 「すみません、院長の親類の楠木コウジですが、楠木院長はどちらにおられるか分かりますか？」 コウジは受付の人に健次の居場所を聞いている。 「楠木健次院長でしたら只今カンファレンス中ですが…お急ぎですか？」 「いえ、ありがとうございます、そっか、なんか会議中みたい…」 一旦みんなのもとへ戻って伝えるコウジ。 「会えないの？」 ルードが首を傾げ聞くが… 「うん、どうしよっか…」 邪魔する訳にはいかないから…待つしかないかな… 「なら、オレはリッツたちに会ってくる…」 時間が空いたのでアキラがぽつりと言う。 「リッツたち？」 コウジの横を歩く瞬助が首を傾げて聞く… 「アキ兄が前飼ってた犬だよね」 それにコウジが答える。 「俺もいくー」 ルードが手を挙げて参加を申し出ると… 「そうだね、みんなで見に行こうか…時間もあるし」 「えっ…マジ？」 みんなで？と、アキラは少し顔をしかめるが…