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一話、【嫌いじゃないけど、好きでもない】(優side)
不快な感情が滲み、唇の端に笑みが浮かぶ。
「本当に俺を好きなら、証明できるよね?」
「……っ、」
返した言葉に、…つい数分前まであどけない笑顔で幸せに緩んでいた頬は、その余韻すら失った。
言葉の意味を理解し、眉を垂れさせ、今にも泣きそうな顔をする。
それでもへにゃ、と頑張って笑おうとして、…無理をしているのがわかりすぎるほど、うまくできていなかった。
俺がこういう人間だって知ってたら、告白しなかったんだろうな。
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恋人だからって、誰もが相手に優しくしたいとか、
……大事にしたいと思うとは限らないのに。
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