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壱
――混血め!
――呪いだ!
――祟 りの子じゃ!
――出て行 け!
生を授かり、途端に罵詈雑言を浴びせられ、集落も追い出され、唯々 彷徨 うしか出来ぬ童 があった。
其の童は金色の髪と空の様な眼 を持っており、人々は其れを畏 れた。故に童は此の世に自分が在る事が忌わしき事だと解ると、自然に「死」という世界を選択する。
「真 に其れが最良か。」
尸 の様相であった童は皺の多い手に引かれ急勾配な山を登らされた。頂上の付近には世辞で美しいとは言えぬ寺がぽつりと佇んでおり、童は寺に踏み入れた。
皺の多い僧侶は童の眼から青成 という名を与えた。
同じ年端の少年達と共に「龍王 寺」なる寺で生活を始め段々と順応する。少年達は例外なく戦禍 や飢饉 の災難にて口べらしにされ棄 てられた者ばかりであった。傷だらけの者、眼を失った者、言葉を知らぬ者などと様々で青成が忌み嫌われることはなかった。
なれども、其れは名付け親が永き眠りにつくと終わりを告げた。
「汝 はこうして死すか、それとも殺 めるか、どちらかひとつじゃ。」
下卑た僧侶が寺を掌握し、青成の眼前では寝食を共にした少年が、忍んでやって来た高貴な着物を召した大勢に辱めを受け、大勢の嗜好の為に絶命していた。
この刻 、青成は決した。
「鬼になりましょう。」と。
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