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第15話

 周防は自分よりも体格のいい男に抱かれるのが好きだ。その感情は女性が抱くものと酷似しているのではないかと思う。  自身を押し倒し覆い被さってくる愛しき男。彼の首に腕を絡めて引き寄せると、磁石のように口唇を重ね合せて心を満たす。まるで儀式のような瞬間だ。  肌を隠す布が少なければ脱がすのも容易、西園寺は従順にも己に体躯を明け渡す恋人の胸元に手を忍ばせると、浴衣の襟合せを左右にひらいて象牙の肌に手を這わせる。 「んっ、ふ……っ」  すでに固く尖った胸の飾りを指で優しく抓んでやると、重なる口唇の合い間から周防の甘美な声が漏れた。火照る肉体を悩まし気に震わせながら、もっともっとと快楽を求める。 「どうして欲しい」 「つよく、もっと……口で」 「わかった」  交際人数の少ない周防は自ら欲望を口にすることに慣れておらず、サディスティックな毛のある西園寺の質問に返すだけで全身が薔薇色に染まってしまう。  けれどその反応がまた西園寺の征服心を満たし、更に濃厚な支配欲をかき立ててゆくのだ。恥ずかしながらも拒みはしない素直な周防に、西園寺の欲望は柔い嗜虐心へと変わっていく。 「んっ──あっ、ああっ」  舌と歯を使い分けながら、つよく優しく絶妙なる力加減で胸の尖りに刺激を与えてやると、周防はのどを反らせて快感を甘受する。  まずは右の胸を攻めつぎに左の尖りへと移る頃には、周防の裸体から完全に力は失われていた。こうなれば後は西園寺の思いのまま凌辱し、ともに快楽を分け与える睦時となるのだ。

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