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第28話

 捨てる神あれば拾う神ありっつうのか、ボッチな音稀にもダチと言えるやつが現れた。教育学部を専攻する音稀はネットリテラシーに長けていて、暇があればパソコンルームに入り浸っているそうだ。  そこで声をかけてきたやつと仲が良くなり、音稀のあらぬ噂を知ったうえで虚偽に惑わされることなく接してくれたと嬉しそうに語ってくれたよ。ちとジェラってみる。  ともあれ信頼できるやつに出逢えたことで大学に通うことが苦痛でなくなったという。そんなダチといい感じになるのも必然だったらしく、最後まではいかなかったとはいえ一線を越えた。  幸せの絶頂。同じ学部で夢も同じ高校教師。そいつはバイトで塾講師をしているとかで、バイトが終われば音稀と待ち合わせデートしてたんだと。聞きたくねー。  で、登場。音稀の姉貴。ミス魔女香奈。  いつもは家で仕事に励む香奈も、たまに事務所へ顔をだすそうだ。で、事務所の所在地ってのが音稀の彼氏がバイトする塾があるビル。同じビル内、テナント同士とかってどんな偶然だよ。  つか在宅勤務なら家でおとなしくしてろっつの。  それで音稀と彼氏が待ち合わせる場に姉貴が鉢合わせ、後はお決まりの女がひとのモノを奪略したったよっつーパターンだ。  彼氏はテンプレ「音稀は好きだし最高の友達とも思ってる。けどきみのお姉さんに惹かれてしまった以上は僕らの関係は白紙に戻したい」だと。  ようは男より女のほうがよかっただけじゃねえか。音稀も香奈も同じ血を引く姉弟、顔かたちはよく似ているからよ。なら同じモンついてないほうがいいって考え丸わかり。  姉貴も弟の恋人を寝取るとかどんな神経してんだ。いや、そのおかげで音稀はフリーになったわけだから──グッジョブ、クソビッチ。  だが魔女と寝取られ男はすぐに破局。男は音稀に復縁を希望、もちろん音稀はそれを拒否。すると男は音稀のストーカーとなり、またもや両親が出動、けど巧く逃げられ苦戦中。今ここ。

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