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第45話

 当初とは予定が狂っちまったものの音稀とバーベキューを楽しみ、親父から釣った魚のうぜえ自慢を聞かされながら酒を飲みかわす。つっても親父が釣ったのはナマズなのにな。  酒に弱い音稀も雰囲気に飲まれてか、いつもは飲まねえ酒を俺と一緒に楽しむ。ほろ酔いレベルで音稀はギブ、俺はというと酒豪親父につき合わされほぼ泥酔。  香奈と母親は飯食った後さっさとコテージに引っ込んでいて、残った俺ら男三人も重い腰をあげ千鳥足で戻りベッドにダイブ。  スモーク臭せえしシャワー浴びなきゃなと思いつつ夢の世界へ。音稀も俺に抱きついた格好のままノンストップで夢旅行に。  そのまま朝まで爆睡できたらどれだけよかったか。けど現実は残酷、異物がつかえては歯車ってのはうまく動かねえ。築き上げた小っさな幸せはガラガラ音を立て崩れてく。  どれくらい時間が経ったのか。未だアルコールの抜けねえ混沌とした意識下のなか、何やら下半身がモゾモゾと違和感を覚えやおら目を覚ます。 「……?」  辺りは真っ暗、暗順応は期待できねえ。あとは感覚に任せるとして──どうやら俺の太もものうえに誰かが馬乗りしてるようだ。そんでハーフパンツを下げ直に股間を弄っているらしい。  なんだ音稀のやつ我慢できなかったのか? 俺の寝こみを襲うとは好きモノめと逆に喜んでみたり。ふだん積極的でない音稀からの誘い、すげえ嬉しくてされるがままになってみた。 「──っ」  股間を包む熱。思わず吐息を洩らしちまう。  音稀は口で奉仕するのがうまい。初めはぎこちなかったものすぐにコツを掴み、あとはイイトコロを熟知した男だからこそのポイントを攻めてくる。もちろん俺極楽。  だが今は深酒のせいで末梢神経がやられ、漲る勃起なんてどう頑張っても無理だ。それは音稀自体がよく分かってんじゃねえのと思うが、それでも奉仕の口は止まんねえらしい。

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