127 / 180
第46話
けどそれが五分して十分が経過すると当然だが疲れてくる。どれだけ頑張っても勃たたなきゃ意味ねえし、あごがくたびれてむかっ腹が立つだろうよ。
しかし念を押すが俺は泥酔してんだ、目まぐるしい成長を遂げられるはずがねえ。期待に応えてやれなくて申し訳ないが、と思ったところであることに気づく。
息子を包む熱のみ感じることができる状態、敏感な部分も今は鈍り快楽とは無縁だ。けど、それでも今俺を包む口の主は音稀じゃねえと、愚鈍な俺の息子が言ってのける。
「は、あ? ちょっ──おまえ誰だよ」
ちゅぴっとリップ音を残し息子から離れた口から血の気の失せる声が。
「──うふふ。やっと気づいたの、鈍いわねえ。それにしても大きいね、一将の」
俺のを握りながら話す香奈。猛禽類みてえな魔女の視線が俺の息子に注がれてるのを感じ、やべえ俺ピンチ生贄じゃんとエマージェンシーにブルっちまう。
称賛には「そりゃどうも」と一応の礼を言い、音速で「つか離せ」と魔女の手を払いのける。以前だったら棚から牡丹餅、据え膳喰わねばと目のまえのご馳走に飛びついていたところだが、今は音稀に骨抜きな俺、まったく心が動かねえ。
腹筋をつかい起き上がったところで、俺の足から香奈を退かそうとして罠にはまる。
「うおっ」
暗闇のなか手探りで香奈の肩を掴み足をひき抜こうとしたところで、このアマ思いもよらねえ行動を取りやがった。俺の腕を掴むと引きよせ、状況は一転どう見ても俺が香奈を押し倒す格好になる。いけしゃあしゃあと魔女が言う。
ともだちにシェアしよう!