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抗うことのできない恋ならば、いっそこの手で壊してしまえばいい54

「乱れる君の姿を執事殿が見たら、さぞかしほしくなるだろうね」 「こんなっ、すっ、姿を……、ベニーに見せる、なんて」  アーサー卿の指先が、ある部分を強く擦りつけた。 「はぁあっ!」 「はしたない君のこの格好は、彼が夢に見ている姿なんだよ」 「う、嘘だ……」 「嘘じゃない。執事として仕えながら、その裏で虎視眈々と君を狙っているという話を、直接彼から聞いた」  ローランドは告げられた言葉の意味について考えたいのに、頭の芯が痺れて、なにもかもがどうでもよくなっていく。 「っ、ううっ」 「狙っていた君を、目の前で攫われたときの執事殿のあのときの顔を、見せてやりたかった」  指が引き抜かれたことに安堵して、普通の呼吸をしようと、息を吸いかけた刹那だった。 「あ゛あ゛ぁあぅっ!」  太くて硬いなにかが、ローランドの中に分け入ってきた。  はじめてじゃないその感覚で、なにが挿入されたか分かったものの、拒否る間もなくそれをねじ込まれる。 「この間よりもいい締めつけだよ、ローランド。ヒクつきながら、俺のをどんどん飲み込んでいく」 「くるしっ……。も、やめっ」 「感じているくせに。全部君にあげよう」  アーサー卿は一瞬だけ腰を引き、目の前にある腰をしっかりと抱きしめてから、ローランドの奥に目がけて一気に貫いた。 「やぁっ、あああ!」 「中を痙攣させているということは、イってしまったか。ああ、すごい量を出して」  わざわざローランドの下半身を覗き込み、くすくす笑いながら指摘したアーサー卿。そんな彼の行為のすべてを罵倒したいのに、繋がっている部分を強く意識させられるせいで、二の句を継げられなかった。 「うっ、んくっ」  あられもない格好をさせられて、恥ずかしさを感じていたことも、今は皆無だった。両目から流れ出る涙だけじゃなく、ヨダレすら拭えない現状に、悔しさだけが心に虚しく残った。 「ローランド、君のとってはこんなこと、すぐにでもやめてほしいだろう?」 「あ……っは…ぁ、ん…」  質問されている間もアーサー卿のモノで、何度も最奥を責められ続けた。そのせいで、まともに答えることすらできない。 「アーサー卿っ、お願っ…そんなに突かないで、くださいっ!! ふぁっ! あっ」 「突きたくもなるさ。感じまくって食いちぎる勢いで俺のを締めあげる君の中を、もっとかき乱してやりたい。だが――」 「あっ、ああっ…ンンっ」 「一刻でも早く解放されたければ、俺を好きになればいい」 「なっ!?」 (なんて、馬鹿げたことを言い出すんだ。こんなことをされて、好きになれるわけがないというのに)

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