あの世にいる姿なき審判者は、自殺した人間や人を殺めた人間を許さない。肉体からオーブとなって離れた魂を素早く捕らえ、地の奥底へと連れ去り裁きを下す。 　通常なら、そのまま消滅させられる魂がある一方で、前世の記憶をそのままに、異世界に転生させられる特別な魂があった。その魂を『選ばれし人間』と呼ぶ。転生させられた世界で出逢った愛する者と、天寿を全うすることが、課せられた使命だった。 　しかし何らかの理由で愛する者と出逢えない場合、『見守り人』という違う属種に就くことができる。『選ばれし人間』のサポート役に徹して恋愛を見守りつつ、彼らが天寿を全うできたとき、一緒に幸せな来世への転生が約束されるシステムだった。 　そんな都合のいいシステムを利用すべく、『選ばれし人間』と『見守り人』がタッグを組み、自殺してしまった愛しい人を追いかけ、恋を成就させるために奔走する――。 抗うことのできない恋ならば、いっそこの手で壊せばいいの続編です。