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抗うことのできない恋だから、どうか一緒に堕ちてほしい37
「服装だけじゃなくて、こんなふうに心も乱されたままの気持ちでいたら、ちゃんと聞くことができないと思うんです」
「弘泰……」
明堂は頭を撫でているベニーの手を取り、てのひらにくちづけを落とした。
「お願い、ベニー先生」
その手を、裸の胸元に導かれた。ベニーの手首を掴んでいる明堂の手が、僅かに震えていることにすぐ気がつき、無理やり躰から引き離す。
「弘泰自身としては、こういう行為をするのがはじめてなのでしょう? 怖いですよね」
内なる興奮をなんとか抑えながら、静かに問いかけたベニーの言葉に、ブレザー掴んだ躰を隠す手に、ぎゅっと力が込められるのがわかった。
「大好きなベニー先生なら、きっと平気です。むしろ他の人じゃ嫌だ……」
幾度となく止める言葉を告げたが、明堂の決心を受け入れることにした。
「わかりました。準備をするので、少しだけ待っていてください」
長い金髪が邪魔にならないように、明堂を拘束していた赤い紐でいつものように結い上げてから、颯爽と白衣を脱ぎ捨て、ベッドの下に放り投げた。細長い指を使ってネクタイを解き、手早くワイシャツを脱いで上半身裸になると、明堂の利き手がベニーの肌に恐るおそる触れる。
「ベニー先生……」
「どうしました?」
「すごく肌の色が白いなって。痕をつけたくなっちゃう」
「首から下なら、どこにつけてもいいですよ。どうぞ」
両腕を開いて待ち受けるベニーの躰に明堂は勢いよく縋りつき、鎖骨の部分に舌を這わせた。
「ンンっ……」
鼻にかかる甘ったるい声を聞いたせいで、明堂の心に火がついた。どうすれば感じさせることができるのかというよりも、ベニーを自分のものにしたい気持ちがいっぱいで、赤い花を無作為に咲かせる。
ベニーは自分にむしゃぶりつく明堂の服を脱がせようと、ブレザーからひとつひとつ丁寧に脱がせていった。ボタンを外していたので、脱がせること自体は簡単だったものの、時折感じさせられるたびに力が抜けるので、無駄に時間がかかってしまった。
「弘泰、スラックスを脱がせたいのですが……」
お互い下を着用した状態で行為に及んでいたので、声をかけて明堂の動きをとめる。
「スラックス……?」
明堂は呆けた感じの返事をした。ベニーのセリフが一瞬理解できなくて、オウム返ししてから、自分の下半身を見る。
「私も弘泰を感じさせたいんです。ココとかいろんなところを」
形のいい耳元に唇を寄せて、あえて間を置いた低い声で語りかけた。スラックスは事前に脱がしやすい状態にしているので、ベニーの手は感じる部分に触れるようとすんなり忍び込む。
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