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抗うことのできない恋だから、どうか一緒に堕ちてほしい45
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学校が終わり、明堂はいつものように自宅に帰るなり、自室に引き篭った。持っていた鞄を乱暴に床に投げ捨ててから、ベッドに飛び込む。
頭から布団を被って、今日あったベニーとのやり取りを思い出した。
『いきなりでは大変でしょうから、少しずつはじめてみたらどうでしょう?』
「嫌なことから逃げずに、僕が対処する……」
(マモルの役割を僕が奪ったら、この先どうなるんだろう? 消えてなくなっちゃうのかな)
嫌なことの類は、性的なことと暴力をふるわれて、虐められることが主だった。悪口が耳に入ったり、蔑むような視線で見られながらどつかれたりするくらいは、我慢していたのだが。
「ベニー先生以外に触れられるの、すっごく嫌なのに。どこまで我慢したらいいんだろ……」
布団を被ったままでいる今の現状は、マモルと交代したときによく似ていた。だが躰に感じる体温や息遣い、自分の声が聞こえるだけで、逃げることのできない現実を突きつけられている気がしてならない。
「こんなに、ベニー先生のことが好きなのに」
切なさと愛しさが混じった胸の痛みを感じながら、目を閉じる。いろいろ考えているうちに疲れ果てて、そのまま眠りについてしまった。
――――
明堂が目覚めたのは、背後から伝わってくる誰かの温もりと、躰をまさぐる手の刺激によってだった。
「やっ!」
声を出しかけた瞬間に、大きな手によって口が塞がれる。
「声を出すな、下に母さんがいるんだぞ」
いつものようにベッドに潜り込んできたのは兄の伊月で、耳元に吹きかかる吐息が気持ち悪くて仕方なかった。
「ぃやだ……」
そう呟くと、伊月はクスクス笑いながら明堂の下半身に触れる。
「嫌がってるのに、ちょっとだけ大きくなってるじゃないか。気持ちよくなりたいんだろ?」
明堂の尻に当たる、伊月の硬くて大きなモノが、刺激を求めるように上下に動いた。
「ひっ!」
「この間は自分から俺のを挿れたくせに、なにビビってんだよ」
(ベニー先生と約束したんだ、抵抗しなきゃ。まずは、口を塞ぐ手を退けて――)
明堂は両手を使って伊月の手首を掴み、引き離そうと試みた。だがその力を削ぐように、下半身を弄られる。触れらる分だけ感じてしまい、どんどん硬度が増していった。
好きでもない相手に感じてしまう自分に、ほとほと嫌気がさす。
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