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抗うことのできない恋だから、どうか一緒に堕ちてほしい47
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結局伊月は、次の日から休学することになった。表向きは病気療養のためだったが、実際は県外にある精神科に、強制的に入院することになったからだった。
生徒会長の不在――いろんな憶測が校内を飛び交ったのは一時的なもので、いつの間にか平穏な毎日を送れるようになった。
すべてはベニーの、機転の利いた采配の結果だった。
「おい、明堂。宿題やってきたか?」
保健室でベニーの名前を呼びたいと騒いでいたクラスメートが、明堂に話しかけてきた。いきなりのことに面食らって、瞬きをしながら答える。
「えっと……。し、宿題なんてあったっけ?」
「抜けてるよな、そういうとこ。ほら、写せよ」
「岡崎、なんでカースト最下位に、情けをかけてやってんだ。上位に締められるぞ」
別の生徒が、話しかけながら近づいてきた。
「別に構わない。俺だって最下位に近いし。それよりも明堂に優しくしたら、ロレザス先生を名前呼びできるんだぜ!」
「なにそのレアな特典。初耳だぞ!」
教室にいるカースト上位者の存在を気にしながら、話に割り込む。
「明堂ってば保健委員じゃないのに、ちゃっかりロレザス先生に媚び売っててさ、名前呼びを許して貰ってるんだ」
「それズルい。もしかして授業サボってるときに、保健室に入り浸っていたんじゃ――」
「そんなことしてないよ、ホントに!」
サボって保健室にいたことは、一度だけあったものの、全力で否定した。
(サボりのほとんどは、マモルに躰を貸したとき。しかも屋上でタバコを吸いながら読書とか、仮病を使って保健室でサボるよりも、悪いことだよ)
躰をチェンジしたあとに、自分の置かれてる状況に驚かずにはいられなかった。ときにはタバコを咥えたままチェンジすることもあり、マモルが意地悪していることがありありとわかった。
「そんで明堂に優しくしたら、のくだり。どうして、ロレザス先生の名前呼びに繋がるんだよ?」
「コイツがクラスのカーストの最下位で、いじめられてることを知っているからじゃねぇの。まさかそこまでして、明堂に関われなんて言うとは思わなかった」
含みのあるまなざしで、ふたりは明堂を見つめた。
「岡崎はアイツらに睨まれるより、ロレザス先生の名前呼びを優先するんだ?」
「別に今さら、睨まれてもかまわない。明堂と最下位争いなんていうことに、ならないんじゃね?」
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