195 / 244

抗うことのできない恋だから、どうか一緒に堕ちてほしい69

 言いながら両手を使って、弘泰の躰をまさぐる。完全に脱ぎきれていない中途半端な状態で肌が露出しているのに、ベニーの存在を確かようと皮膚が熱を求めた。 「ベニー、あっ…ベニー先生ぇッ……して」 「弘泰?」  ベニーが顔をあげると、弘泰は空中に両手を突き出した。 「キスして…ほしい。僕を愛してください」  力なく突き出された両腕の中にベニーが入ったら、いきなり背中に爪が立てられ、ガリガリと容赦なく引っ掻いた。 「痛いです。君の中にある前世の記憶が、それをさせたのでしょうか」 「わかりません。なぜだか引っ掻きたくなったんです。だってベニーの肌は白くてキレイだったし、僕のものだっていう印をつけたくなりました」 「前世、伯爵にされたことを私にするなんて、復讐された気になったのですが」  ちゅっと触れるだけのキスをしてから、言葉とは裏腹に微笑んだベニーが告げた。 「やっぱり嫌だったですよね……」 「いいえ。君の中にある感情のすべてを、私にぶつけてください」 「僕の中の感情のすべて?」  弘泰が小さく呟くと二の句を継げない勢いで、ベニーの唇が押しつけられる。 「うぅんッ!」  鼻にかかった声をあげてしまった。ベニーの舌先が歯茎をなぞるたびに、腰の辺りがじんじんして、快感をさらに求めた。と同時に耳に聞こえる音の正体は、ベルトを外すものだった。 「弘泰、腰を少し上げてください」  その言葉で脱がされることを知り、両膝に力を入れて腰を持ち上げる。下着と一緒にスラックスがおろされた。 「ありがとうございます。これで君の感じる部分に、直接触れることができます」  そう言ったのに手では触れず、ベニー自身を弘泰のモノに押しつける。 「ああっ」 「すごいヌルヌルですね、そんなに感じていたんですか?」  裏筋同士を擦りつけるように上下されるだけで、イきたくて堪らなくなった。 「あっあっあっ…もっと、もっと強くゴシゴシして欲しいです」 「こんなふうに?」  ベニーは唇を合わせずに、舌を激しく出し入れさせた。じゅぷじゅぷ水音を立てて出入りするそれを、弘泰は必死になって吸ってみる。  下になってるせいで下半身をうまく動かせなかったが、舌の動きに連動させて自身を動かしてみた。 「んっんあっ…あっあぁあっ!」

ともだちにシェアしよう!