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第2話
「たっだいまー」
オレはマンションのドアを元気よく開けて、いつも通り『独歩用の笑顔』で部屋に入った。
部屋は暗い。
夜なのに、暗い。
夜だから暗いんじゃない。
『独歩は電気を付けない』。
付いてても簡易照明。
「……仕事じゃなかったのか、一二三」
「いちおーオレっち独歩を起こしたんだけど、『眠い、寝かせてくれ……』って寝ちゃったんだよねー?」
オレはクーラーボックスを置いて、今日釣った魚を保存しはじめた。
「今度は絶対俺も先生とお前の三人で釣りに行こうと思ってたのに……」
「しょうがないっしょー!!独歩ちん疲れてんもん」
「……今度は寝てても連れてってくれ」
「オレっちが独歩ちんをオヒメサマ抱っこして連れてってあげる」
「やめろ、気持ち悪い」
「えー、連れていくならそれしかないっしょ」
冗談、オレが独歩の寝顔を他人に見せるつもりはないよ?
オレは部屋の照明を大きく照らすものに換えてから簡易照明を消した。
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