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第3話
風呂に入り着替えて、リビングに入った。
「また……寝てるし」
独歩はソファーで居眠りをしていた。
独歩と暮らして何年経っただろう。
彼との付き合いは小学生からで、最初は暗い変なヤツだと思った。
それから目が放せなくなって、席替えをしたときに偶然独歩が前でオレが後ろに。
それから彼がただ暗いんじゃないと分かった。
みんなが嫌がることを、率先してやれる独歩。
優しいヤツなんだ。
オレは独歩が好きになった。
『オレに無いものを持った独歩』にオレは恋愛感情を抱いた。
もう彼が好きで。
それでオレは女に酷いことをされて、女は苦手になった。
「どっぽー、こんなとこで寝てると風邪引いちゃうぞぉ?」
彼の肩を揺すったけど、起きる気配がない。
なら……、そうだね。
オレは独歩の唇を奪った。
彼とキスするのは初めてじゃない。
独歩は知らないだろうけど、オレは何度も彼とキスを交わしてきた。
独歩の顔色は通常でも悪いから冷たいんじゃないかと思うけど、寧ろ温かくて。
最高の気分になれる。
それと同時に下半身が重くなる。
これ以上は進めない。
酒の力を借りないと、『進んではいけない』。
『独歩の記憶が飛ぶまでは進めない』。
接待で悪酔いして帰って来たデロデロの独歩しか『抱けない』。
オレは彼の首筋にキスを落として、跡を付けた。
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