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第6話 チグリジアの花言葉。(独歩目線)

「独歩くんじゃないか!!こんなところでどうしたんだい」 俺は上司の接待で朝方まで飲んでいた。 デロデロに酔っていた。 飲むなら一二三と飲みたい。 そう思っていたら、一二三と同居しているマンションのエントランスで俺は眠りこけていたらしい。 「一二三を、待っていた」 一二三は仕事帰り、俺は朝帰り。 「独歩くんは朝帰りかい?」 「仕方ないだろ、接待なんだ。悪酔いして気持ち悪いから、エレベーターで吐きそう。……乗れない」 「全く。そんなブラック企業なんて辞めればいいじゃないか」 そう言いながら、一二三はスーツのジャケットを脱いだ。 「どっぽちん、歩ける?」 いつもの一二三。 俺はこの一二三が好きだし、俺が落ち着く一二三だ。 「うぅぅ……、歩けそうにない」 「しょーがない。どっぽちん、オヒメサマ抱っことおんぶ、どっちがいい?」 「俺を女性扱いするな」 「ハイハーイ、どっぽちん背中どーぞ」 一二三はオレの背中ににジャケットを掛けて、俺を背負った。 エレベーターに乗ったとたん、俺は一二三の背中に汚物を吐きだした。 やっぱり最悪に酔っていた。 どうせ俺はいつもこうだし、俺が一二三を助けているようで、俺が一二三に助けてもらっている。 俺はこんな自分自身が死ぬほど嫌いだった。

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