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第23話
大学も一二三と一緒で、女性恐怖症の一二三のせいで、ルームシェアまで始めた。
当時はこんなに広いマンションには住むことは出来ず、2Kの部屋に住んでいた。
当然プライバシーなんて皆無で、俺は明るい部屋にいるのに苦痛を感じること、寝付くのに時間がかかることを一二三に知られた。
ネガティブ過ぎると呆れられるかと思ったら、奴はまた笑顔で、
「『親友』だから弱みを見せられるんだよね、独歩」
……目は笑ってない。
一二三は調子がいい奴だけど、やっぱりスゴい奴なんだと思った。
痴女事件がなければ、一二三はもっと世の中に出ていける奴だと思った。
やっぱりあのとき、一二三を一人にした俺が悪いんだ……俺のせい俺のせい俺のせい。
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