23 / 40

第23話

大学も一二三と一緒で、女性恐怖症の一二三のせいで、ルームシェアまで始めた。 当時はこんなに広いマンションには住むことは出来ず、2Kの部屋に住んでいた。 当然プライバシーなんて皆無で、俺は明るい部屋にいるのに苦痛を感じること、寝付くのに時間がかかることを一二三に知られた。 ネガティブ過ぎると呆れられるかと思ったら、奴はまた笑顔で、 「『親友』だから弱みを見せられるんだよね、独歩」 ……目は笑ってない。 一二三は調子がいい奴だけど、やっぱりスゴい奴なんだと思った。 痴女事件がなければ、一二三はもっと世の中に出ていける奴だと思った。 やっぱりあのとき、一二三を一人にした俺が悪いんだ……俺のせい俺のせい俺のせい。

ともだちにシェアしよう!