22 / 32

第22話

「がんばりすぎだ。勤勉な点は大いに買うが、こうも、きゅうきゅうと締めつけられては(あね)を突いてやるにやれない。加減して、ゆるめなさい」  耳朶への愛咬(あいこう)を交えて叱ってくださいます。返す刀で手本を示されますように、ひと片、ひと片、花びらをめくってしまわれます。  ああ、そうです。我ながら、はしゃぎすぎです。  仰せに従って、緩急をつけて内奥をうねらせますように相努めます。ところが、ここにきてチョッキを脱がされ、襯衣(シャツ)の釦がひとつ二つと外されていきますと、もういけません。  胸がはだけて、あらわになった右の乳首を旦那さまが、左の乳首を正面から朋貴さまが引っぱってくださいます。都合四つの手が、入り乱れて上体を這い回ります。  時には先を争って茎に指がからむものですから、勝手気ままに抜き差しを刻んでしまい、(ほこ)をがつがつと貪り食らってしまうのです。 「ん、んん……ぅ、ん、んん」 「まったく。まぐわったが最後、じゃじゃ馬に豹変するのが玉に(きず)だが。しずは、おまえの魔羅あしらいの(うま)さは称賛に値するぞ」  などと、苦笑交じりに耳たぶを食んでくださいますかたわら、ぐりぐりと種子を突いてくださるのです。股間の美茸(うまたけ)は雄々しく傘を開き、いつにもまして溌溂としておられるご様子。  旦那さま、ああ、崇拝してやまない旦那さまが肉の営みに没頭しておいでです。身の程をわきまえず恋い慕っております御方に、分かちがたく契りを結んでいただき、〝快〟を献上たてまつる。  これに勝る歓びが、この世にありますでしょうか?  鈴口は新旧入り混じった蜜で濡れそぼって、どろどろの、ぬとぬとの、べちょべちょです。朋貴さまが漏らされたガマン汁にまみれて、口の周りもねちょねちょです。 「もうすぐだ……卑しい生まれのおまえの口の中いっぱいに、寛大にも貴人の血汐をそそいでやるからな。いいか、一滴たりともこぼすなよ」  こぼすなど、滅相もありません。三つ指をつきまして、相、うけたまわりましたとお答えしたいのは山々です。  ただ、生憎と筒先に舌を巻きつけまして、ガムシャラな腰づかいに応戦しております最中なのです。ゆえに、うなずき返しますのが、やっとなのです。  頬を挟みつけてまいります手に、力が加わります。股ぐらに顔を引き寄せる、カリクビを口内に残して幹がその威容を現わす……そういった抽送が繰り返されますと顎が外れそうです。 上体と下肢を別々に、しかも錐揉みに揺さぶられて、目に映るすべてのものが幾重にもぶれて見えます。  襯衣をはためかせ、毛深い脛をかき抱いて、二者二様に速度を増す水平動にお応えします。すると朋貴さまが、唐突にいっさいの動きを止めました。  肉砲がびくびくっと脈打ち、次の瞬間には倍にも膨れあがって舌を押し返してきます。ひと呼吸おいて、爆ぜます。  どびゅっ、どびゅっ、どびゅっ!  弾丸が勢いよく発射されて、喉を撃ちます。そのせつな、磯臭いような香りが口の中いっぱいに広がります。  やはり、ご兄弟。熱液のお味も微妙に似ておられます。蒪菜(じゅんさい)のように、とろりとした喉ごしで後を引きます。  喉が渇ききっておりましたことも相まって、風味豊かな白濁をごくごくと飲み干します。

ともだちにシェアしよう!