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抑えきれぬ劣情6
信じられない。
翔也は驚きと喜びが合わさった震えるような思いで、ベッドで横たわる涼に口づける。舌を絡める。
涼は自分の背中に手を回して、受け入れてくれている。話しをする前も口づけたけど、抵抗する涼を押さえつけながら無理矢理だった。
『俺を痛めつけたいの?』
準備も無しに抱いたら傷つけることになると涼に言われた。
翔也は、僅かな時間に人生が変わる程の経験に遭遇している。
恋い焦がれていた涼に今も好きな人がいて、その相手は男だったこと。涼が色々詳しかったのは、同性同士の恋愛経験があったからだと理解出来た。
そして涼が、兄弟として育った兄が、恋愛感情が無くてもいいならと、自分の欲情を受け入れてくれた。
涼の乳首を摘む。
「あ…」
身体がピクつく。自分の愛撫に涼が感じていることが、翔也の欲情を更に高める。
涼に好きな人がいて、付き合ったことがあるのは当然だろう。自分より7歳上の大人なのだから。ショックではあるけど、でもその相手が同性ならば、悲観することもない。
性別という一番大きな壁を越えた。
あとは兄弟の壁を越え、弟ではなく恋愛対象として自分を好きになって貰えばいい。性別と違って、努力すれば可能性はある。
恋愛感情じゃないと念を押されたとはいえ、今もこうして受け入れてくれているのだ。恋人に昇格することは、けしてあり得ないことではない。
涼の乳首を唇と指で左右交互に愛撫する。
「あっ…」
涼が自分の手の甲を噛んで声を抑えようとするのを、その手をシーツに留めて阻止する。そうしながら、翔也は涼の中心に手を這わす。ゆるゆると梳けば、硬くなってくる。
自分の手淫で感じている、そのことで興奮が高まる。
「し、翔也…ああ」
名前を呼ばれることがこんなにもクルとは思わなかった。
涼が感じている。その興奮が冷めぬうちにと、翔也はローションを指に擦りつけ、それを絡めるように涼の秘部を窺う。
「翔也…もっとたくさん…」
「えっ?何?」
「もっとたくさんつけないと、俺がキツイ…」
「そっか…」
翔也は涼に言われるまま、ローションを増やして指にも、秘部にもつける。
妄想で散々犯した孔に指を入れる。一本、二本、指を増やし、中を拡げるように動かす。
「あっ…う…」
涼の白磁の肌が色に染まる。声を抑えようと噛んだ唇が赤く艶めかしい。熱を孕んだ瞳で見られると、このまま一気に貫ぬきたくなる。
でもそれは駄目なのだ。
現実には無茶な行為は、相手が傷つくと涼に教えられたばかり。
はやる気持ちを抑えて、涼の孔を解かす。
「あっ!ああ!」
翔也の指がある一点を擦ると、涼の身体が反り、足の指先までピンと伸びた。
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