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秘めた情事
『兄さん好き』
そう耳元で言われる声が、やっぱりあいつに、義父に似ていると涼は身体を揺さぶられながら思う。
親子だからな…。
二人揃って涼を好きだという。
好きなタイプも似ているということか。
父と子、二人と関係を持つなど、人としてのモラルに欠ける行動だと自覚している。
でも、武範には脅迫され加虐嗜好を満足させる相手として、関係を持たされているだけだ。
翔也は愛しい。
ぎこちない翔也に一気に押入れられて身体は辛いが、それでも一生懸命さが可愛いと思う。
「ああっ」
翔也の動きが加速し、涼の意識も霞む。いいところを大きく太い幹に何度も擦られ、翔也の背に縋り付き果てた。程なくして翔也も涼の中で果てたのがわかる。
「兄さん…」
涼の身体から離れた翔也が名残惜しそうに、貪るような口づけをしてくる。
涼も応えるように舌を絡めながら、冷静になった頭で今回限りで終わらないだろう翔也の熱情に、微かな不安を覚えた。
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