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幕間 ???side

「はい」  かかってきた電話を取る。五コール以内に出ろとうるさい子煩悩からの電話はやっかいだ。 『おう。ちょいとお前、今度うちのガキが通う予定の学校見に行ってくれや。文化祭があるんだと』 「文化祭ですか」 『おう。うちのガキが馴染めそうか見定めてきてくれ。ダメだったら別んとこ考えるわ』 「分かりました」  テメェのガキに合うとこなんて少年院くらいだわと毒づきたいのを堪える。これだから物を冷静に見れない奴は嫌いだ。内心で舌打ちをしていた俺は、続く学校の名前に笑みを浮かべる。 『じゃ、頼んだぞ』 「任されました」  見定めるも何も、合いそうにないなんて正直に言えば叱られてしまうのは目に見えている。報告の内容は初めから決まっていた。 「桜楠学園、ねぇ……」  タバコに火を点け、煙を吐く。 「珍しく組長の命令も使えるじゃねぇか」  数ヶ月前に一度顔を合わせたきりの同級生を思い出す。顔を合わせて虐めたら、どんな顔をするだろうか。愉快な想像に、喉を鳴らして笑う。 「楽しみだなぁ」  夏が終わり、秋が来る。  学園に大きな嵐が訪れようとしていた。

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