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【最終話】第12話
「リュウから来るなんて思わなかった」
放課後、ケンの家に行くと、すでに帰宅していた。
「なんで、あんなことをしたのか、説明しろよ」
「したかったから」
「したかったら、誰にでもするのかよっ」
「リュウだけだよ。俺がしたいのは、リュウだけ」
なんだよ、ますますわからない。全然、すっきりしない。
胸のモヤモヤがより一層、広がる。
「リュウはさ、俺に聞いてばっかりだけど、自分はどうなの? 俺でも、あの金髪の先輩でも一緒?」
「え?」
「あの人に同じことをされても平気?」
「平気な訳ないだろ? ケンだから耐えられたけど、他の人なんて考えられないに決まってるだろっ!」
あれ? 俺、別にケンとあんなことをするのは嫌じゃないんだ……。
俺の意思を確認しないで勝手にされたことに腹が立っているだけで。
「リュウ? それって俺の事、好きってことだよね?」
「え?」
好きって、当たり前だろ?
そうじゃなきゃ、こんなに長い期間、幼馴染みを続けてない。
「リュウを誰にも渡したくない」
俺もケンを誰にも渡したくない。
俺じゃない誰かとあんなことをして欲しくない。
胸に渦巻く感情は、複雑すぎて、ピッタリの言葉が思い浮かばない。
俺は、言葉の代わりにケンの唇に、口づけを落とした。
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