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第1話
ジャラッ
何の音だ?
何か冷たい硬いものが頬に当たっている感覚にうっすらと目を開ける。
少し開いているカーテンから差し込む光に照らされて目の前で何かがキラキラ輝いていた。
「ん?」
ガチッ
そのキラキラしたものの正体を確かめようと手を動かすと、金属音がしただけで手が上手く動かなかった。
流石の俺も異変を感じて何事かと目を開けた。
「何だこれ…」
起き上がって違和感の正体が謎の拘束具だと言うことに驚きが隠せない。
両手はラバー素材のベルトの様な手錠がされ、その手錠には鎖が繋がっていた。
拘束されている手を鎖の先に持っていくと首には首輪がされているようで指先に皮特有の感触がする。
鎖はこの首輪と手錠を繋いでいる様だ。
「誰がこんな事を…」
この部屋は俺が大学に進学してから独り暮らしをしている1LDKのアパートだし、そもそも不審者が入ってきてこんな事をするとは到底考えられない。
しかも部屋の鍵を持っているのも現在は少し離れた実家に居る家族だけだ。
カチャカチャ
玄関の方で鍵の開く音がする。
俺はゴクリと息を飲んで鍵を開けている人物が入ってくるのをじっと待った。
ガチャッ
「海斗…」
「あ、兄さん起きてたんだ」
ドアが開いて、入ってきた人物に俺はほっと息をついた。
部屋に入ってきたのは今年高校に上がったばかりの弟で佐野海斗 だった。
「ちょっと…海斗何だよこれ。イタズラにしたら悪趣味だぞ」
「イタズラじゃないよ兄さん」
「は?それどういうことだ?」
「ん~」
海斗は手に持っていたマイバックから次々に食べ物を取り出して冷蔵庫に片付けていく。
というか、何でここに海斗が居るんだろう。
「海斗…何でお前がここに居るんだ?」
「兄さん夏休みに入ったら遊びに来てもいいって言ったでしょ?」
「そう言えばそうだな…」
俺は大学2年の佐野陸斗 。
今年の夏休みはバイトがあるので、実家に帰れないと伝えると遊びに行きたいと海斗に言われたので確かに夏休みに遊びにこいとは言った。
言ったが、この状況はなんだ。
「いつ来たんだ?」
「夜行バスがついてすぐかな?」
「それで、俺はなんでこんな状態なのかな?」
「だって兄さん俺が来ても、何をしても起きなかったじゃない。俺小遣い貯めて頑張ってこれとか買ったんだよ?」
「はぁ…」
食べ物を全て冷蔵庫に納めたのか海斗が俺に近付いてくる。
手首に巻かれている手錠を嬉しそうそうに撫でる弟に俺は盛大な溜め息が出た。
話が全く噛み合っていないし、何で首輪までされていながら起きないかな…自分。
「とりあえず、動きにくいからこれ外して」
「いやだ!」
「は?」
近付いて来た海斗に押し倒され、俺はベットへ逆戻りした。
これから何をされるのかと身構えていると海斗がぎゅうっと俺に抱きついてくる。
おいおい。
足に硬いものが当たってるんですけど。
「海斗くん。硬いものが当たってるんですけど」
「兄さん俺の気持ち分かっててはぐらかしてるだろ!」
「あー。えぇっと…」
そうなのだ。
海斗は子供の頃から大のお兄ちゃんッ子でよく俺についてまわっていたのだ。
しかし、そのお兄ちゃん大好き!が普通の家族愛で無いことが分かったのが俺が大学進学を県外の大学に決めた後だった。
海斗の部屋から物音がして、それが気になってこっそり部屋を覗いてみると海斗はオナニーの真っ最中だった。
『っさん…さっ…んんっ』
好きな子の名前を呼びながら一生懸命ペニスをしごいている海斗をずっと見ているのも忍びなく思いそっと扉を閉めようとした。
『にっ…さん。にいさっ…にぃさん』
その声に驚いて再び海斗の様子を伺う。
すると、俺のTシャツの臭いをかぎながら必死にペニスを弄っている。
『マジかぁ』
確かに海斗のブラコンは度をこしていた。
今思えば中学生になっても兄と一緒に風呂に入る奴はなかなか居ないだろう。
しかし、可愛い弟が一緒がいいと言ってきて拒める兄が居るだろうか。
いや、そんな奴居ない。
しかし、俺が進学すれば他に好きな人ができるだろうと安易に思っていたら…これだよ。
若干目眩がしてきたぞ。
「うん。昔から海斗がお兄ちゃんを大好きなのは知ってるよ…」
「そうじゃなくて!俺は、兄さん…陸斗が一人の男として好きなの!」
「うっ!」
ガバッと起き上がった海斗の顔がみえる。これはヤバイぞ。
胸がきゅーんとする。
何この必死な顔。
可愛くないはずないじゃん。
「あー。兄ちゃんが悪かったよ」
「んっ」
とりあえず拘束されている手で海斗の頭をぽんぽんと撫でてやる。
すると安心したのか身体を預けてくるのが可愛い。
「ところでこんなものどうやって買ったんだよ」
「ネットの通販で買ったんだ」
「ませてるなー」
海斗が楽しそうに俺の胸にすり寄っているのが可愛い。
うん。
でも俺もこのまま拘束されてやっている訳にもいかない。
手の拘束を海斗に分からないように頭を撫でてやりながら口ではずしていく。
首輪にも触れてみるが鍵らしきものはついていないようだ。
それもこっそり外した。
「海斗くん?」
「何?兄さ…!」
「ごめんなー海斗。兄ちゃん今日はバイトなんだわ。だからおうちで大人しくしててな?」
俺は海斗の手を捕まえると、外した拘束具をそのまま取り付ける。
自分が逆に拘束されると思っていなかったのだろう。
海斗の驚いた顔が面白い。
「兄さん…どうやって…」
「海斗くんにいいことを教えてやろう。こういう拘束具には取れない様に鍵を着けておくものだよ」
カチャン
俺はベッドサイドに置いておいた箱から鍵を取り出して首輪にとりつけた。
この鍵はスーツケースに取り付けるために買ったものだったが、こんな事に役立つとは思っても見なかった。
「海斗くんはお兄ちゃんを縛って何がしたかったのかなぁ?」
「えっと…あの」
拘束された手をもじもじとさせている。
これはもしや…。
「もしかして考えてなかったのか?」
「うぅ…」
下を向いて気不味そうにしている海斗を見ていると呆れるとかよりも、笑みがこぼれてしまった。
無計画に実の兄を拘束して肉体関係を迫るでもなく、一緒に居たかっただけなのかもしれない。
そう考えると弟の可愛さに頬擦りしたい気分になってくる。
「することは大胆だったけど、詰めが甘かったな」
「兄さん…兄さん俺のこと嫌い?」
目に涙を浮かべながら腕には手錠。
首には首輪をしている弟に見つめられると、胸にドスンと衝撃が走った。
「あぁ…もう!」
「ちょっ!えっ!」
俺の上に居る海斗の顔をがしっと掴むと、唇を塞ぐ。
ちゅっ、ちゅっ
「に、兄さ…っ!あむっ!」
はじめは唇を合わせるだけの軽い物だったのだが、海斗が口をあけた瞬間に舌を滑り込ませた。
俺は海斗の舌に自分の舌をすり付けたり、吸ったりしてやる。
「んっ、むっ、ちゅっ」
「んっ、ぢゅっ、んっんっ」
部屋にはくちゅくちゅと言う水音と、リップ音が響いていて海斗の唾液を飲んでやるとどんどん気分が高揚してきた。
しばらくそうやって海斗の舌を堪能していると、腹の辺りに硬くて熱いものを感じる。
「んっ…海斗。俺とチューして感じちゃったのか」
「にいさ…」
口の周りを二人分の唾液で汚した海斗の顔がとろんとしている事に俺の胸は益々ときめいていた。
「えっ、あっ、ちょ!」
「遠慮すんな…」
身体を反転させ、俺は海斗のズボンをずり下げてやる。
ぴったりしたボクサーパンツのフロントの部分は既に大きくテントを張っており、俺はそれに思わずゴクンと生唾を飲んだ。
少し前までブリーフを履いていたのに、こんな所にも弟の成長を感じて顔が綻ぶ。
「ひゃっ!にににに、兄さん!」
俺は海斗のパンツの中に手をズボッと入れると、直接的にペニスを掌で触ってやる。
ペニスは俺のより太くて血管がゴツゴツとしていた。
くっちゅっ、ぐちゅ、ちゅこちゅこ
右手で竿をしごきながら、左手では玉や亀頭の部分を撫でてやると先走りがどんどん溢れてくる。
ちゅぱっ、くちゅ、ちゅっ
「そうだ…ちゃんと俺の前で出せたら後でお願い1個きいてやるよ。何がいい?」
「あっ…あっ…じゃあ…」
再び優しくキスをしながら海斗を攻め立てていく。
「じゃあ?」
「にっ…兄さんの…作ったご飯…あっあっあぁ!」
「ありゃ。そんなのでいいのかー?」
掌で亀頭を念入りに撫でてやりながら、右手のスピードをあげていく。
首や肩にキスをしていると海斗の身体が小刻みに震えだす。
「わかった。じゃあ上手に射精できたら海斗の好きなもの沢山作って、昼も晩も一緒に食べような」
「あぁ…ありが…とぅっ…あ…ああ…兄さん…でそうっ」
海斗は手錠のかかった手で俺のスウェットの袖を指先の色が変わるほど強く握りしめているのが目に入るが、俺は気にせず手を動かす。
足を大きく開いて小刻みに震えているのも可愛らしい。
「ほーら。好きな時に出しちゃっていいぞ」
「んっ、うぁぁ、あっ、あっ!」
口からだらしなく出ている舌先を吸ってやりながらラストスパートをかける。
ちゅこっ、ぐちっ、ぢゅこぢゅこ
「あっ、兄さんん…っ!あぁ!あー」
海斗の身体が大きく痙攣すると、手にドクドクと吐精されているのを感じる。
海斗の首が大きく後ろに反るのを見て、相当気持ちがいいんだなって思った。
「うおっ!海斗…上手に出せたからご褒美決定だぞ」
「ぅ…あ…うん…っ」
元気な精子が顔まで飛んできて一瞬驚いたものの、手についた精液の多さに嬉しくなる。
俺は手を広げて見せ付ける様にするとにちゃぁという粘着質な音がした。
「何が食べたいか考えておくんだぞ?でもお前が買ってきたものも見ておかなくちゃな…」
海斗の精液で濡れた手をティッシュで軽く拭い、顔にちゅっちゅっとキスをしていく。
しかし、期せずして弟の射精を手伝ってしまった訳だが…。
エロいなこいつ…。
こっちまで勃ってきたぞ。
でも海斗ウトウトしてるし、今は我慢だ俺。
「あ…にいひゃんっ」
「ひっ!」
不自由な手で引き寄せられキスをされたかと思うとぎゅーっと抱きついてくる。
俺は思わずそれでパンツの中に爆発してしまったが、海斗の手の力がどんどん抜けて寝てしまったのが幸いした。
俺は軽く後始末をして、風呂場へと急いだ。
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