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第2話
「はぁ…弟が可愛すぎて生きるのが辛い」
「なら、死ねば?」
「ちょっ!俊くん酷いっ!」
「は?キモッ…」
こいつは同じバイト仲間の多村俊也 。
学部は違うが同じ大学に通う友人でもある。
あの後、俺は疲れて寝てしまった海斗に服を着せて急いでバイトにやって来た。
あまりにも急いでいたので手錠も首輪も外すのを忘れてきたし、海斗に渡していた俺の部屋の鍵も持ってきてしまった。
まぁ、あいつが自分で買ってきた食べ物もあるだろうし、足は拘束していないからトイレとかの心配はしていない。
あの拘束具以外は困ることはないだろう。
「で、その弟がどうしたって?」
「え?俊くん話聞いてくれんの!なんやかんや言いながら優しっ!!」
「うっせ!」
ここは俺のバイト先で、俺が今居る所はちょっと小洒落たカフェの厨房とフロアーを繋ぐ待機場のようなところだ。
俺はここのカフェでウェイターのバイトをしている。
俊也は厨房担当で、口調はぶっきらぼうだが意外に面倒見がいいのだ。
今もぷいっとそっぽ向いてしまったが俺の話を聞いてくれる気があった事に笑みがこぼれる。
「実は今、実家から弟が来てるんだけど俺の弟ってば大のお兄ちゃんッ子なんだわ」
「で?」
俺は俊也の言葉に甘えて海斗のことを話そうとカウンターに身を乗り出す。
本当に聞いてくれる気があるらしい。
「それで、弟がちょっかいかけてきたからちょーと手を出したっていうかぁ…なんて言うか」
「あー。うん」
俊也も気まずそうに返事をする。
そりゃそうだ。
友人から実の弟に手を出したと言われれば反応にも困るだろう。
でもドン引きされてないだけマシかもしれない。
「それでさー」
「こーら!お前たち喋ってないで仕事しろ!」
「あ…店長」
俺が続きを話そうと思ったら後ろから声がする。
このカフェの店長の鈴屋渉 さんだ。
ピークの時間から少し過ぎてお客さんもまばらだが、店長に言われてしまえばしょうがないのでフロアに戻った。
しかし、店長も俊也も何か変だったな。
まぁ、あんな話をいきなり聞いたら態度もおかしくなるか。
今度から二人とも普通に接してくれるかな。
そんな事を思いながらテーブルを拭いたり、注文を取ってるうちにあっという間にバイト時間が終了した。
「はぁ…何作ってやるかなぁ。あいつ何が好きだっけ?」
そんな事を思いながらカフェで余ったケーキを片手に家に急いだ。
今日は海斗が来てると言うことで持たされてしまったのだ。
「海斗ー?ただいま~」
「兄さんお帰り!!」
ドタドタいう音を立てて海斗が奥から走ってくるのが見える。
いつもは暗い部屋に帰ってくるのに、明かりがついているのが嬉しい。
しかも弟が熱烈にお出迎えとあらば顔も緩むってもんだ。
しかし、あの首輪と手錠のせいでいけない事をしている気分にはなるな。
まぁ、元はと言えば海斗がしてきた事なんだけど。
「ほい。お土産!弟が来てるって言ったら少し多めにくれたんだ」
「え!兄さんここのカフェで働いてるの!ここ雑誌に乗ってたよ。ここのケーキ気になってだんだ」
俺が差し出したケーキの箱に書いてある店の名前を見て、海斗が目をキラキラさせながら俺から箱を受けとった。
渉さんの店はこだわり抜いた食材や料理を提供すると、最近雑誌でも取り上げられるようになったのだ。
今日貰ってきたケーキも外注などではなく、きちんと店で作っている。
とりあえず夕飯にしようと靴を脱いですぐに冷蔵庫に向かう。
中を確認すると、俺がつくったもの以外は飲み物しか増えておらず海斗が本当に無計画に仕掛けてきたことがわかった。
「海斗くん。冷蔵庫の中身が飲み物しか増えてないんですけど…」
「だって俺料理できないし、何買っていいか分からなくって。でも兄さんとはしばらく部屋に二人きりで居たかったから…」
うわー。
なにこの殺し文句。
俺ってば心臓止まりそうなんですけど。
むしろキュン死しそうなんですけども…弟可愛すぎかよ。
「兄さん。怒った?」
俺が何も言わないのを怒ったと捉えたのかおろおろと話しかけてくる。
海斗の気持ちを知っていながらそれを見て見ぬ振りをしてたんだから、怒られるのは寧ろ俺の方かもしれない。
まぁこんなやり方でくるとは正直思ってなかったんだけれど、正確には手を出したのは俺からな訳だし怒るも何もない気がする。
「いや…怒ってないよ」
頭をポンポンっと撫でてやると海斗は明らかにほっとした顔になる。
今日はとりあえず冷蔵庫にあるもので適当に料理をする事にした。
自炊をしているので冷蔵庫にはまだ食材が入っていたのが救いだ。
「久しぶりに兄さんの料理美味しかった」
「明日は約束通り、好きなもの作ってやるからな」
一応実家でも忙しい両親の変わりに料理はよくしていたのでそう言うと海斗は嬉しそうに頷いている。
そろそろ寝ようかと海斗と一緒にベットに入る。
大の男が二人でベットに入ると窮屈なのだが、来客用の布団も用意してないし、一緒に寝たいとお願いされてしまえば断れるはずもない。
「兄さん…」
「ん?どうし…」
夜中に海斗の声で目を覚ます。
おっとこれはまずいぞ…。
手に当たっている弟の大切な所が臨戦態勢のようなんですけれども。
しかも、凄い熱くてぐいぐい来てるんですけど。
「か、海斗くんどうしたのかな?」
「ご、ごめんなさい。兄さんの寝顔見てたら…」
とりあえず布団をそっとめくって様子を見てみることにしたのだが…うん。
立派に育っちゃったね…お兄ちゃん嬉しいよってそうじゃないから。
「そっか。気が付かなくてごめんな」
「ちょっ!兄さん!」
まぁ朝もしてやったし、そりゃ当然夜もって期待するよな。
期待するなって方が難しいか。
元々俺とあわよくばって気持ちでこの家に来たんだろうし。
とりあえずさっとズボンと下着を脱がしてやると、焦る様子がやっぱりかわいい。
「ほら兄ちゃんに任せておきな」
「ひゃっ!」
躊躇なくぱくんと口に含んでやると、海斗の太股がびくっと揺れる。
意外に気持ち的に抵抗感がなくて自分でも驚いたが、流石に全部は口に入らないので亀頭を中心に口に入る所までくわえてやる。
ちゅっ、ちゅぷ、じゅぷじゅぷ
「あっ、にいひゃんのく…ちぃ!あったか…いっ」
「やっはり元気ひゃな」
「喋ったら…うっ、んっ」
このまま逝かせてやってもいいけど、俺も楽しみたいな。
そういえば悪友に貰ったものがベットの下にあった様な気がする。
「にいしゃん!にっ!」
「んぷっ…」
俺がごそごそとベットの下にあるものを探っていると、頭の上からじゃらじゃらという金属音がする。
そういえばまだ拘束具をつけたままだったな。
帰ってきてから視界には入っていたのだが、脳が途中から認識していなかったんだよな。
海斗の腰がゆらゆらと揺れてきたと思ったら口のなかに熱いものが溢れる。
「んっ…」
「兄さん…飲んじゃったの!!」
少し喉に引っ掛かるものの、海斗が出したモノをゴクンと飲み込んでやると凄く心配そうな顔で見つめられてしまった。
凄く焦ってベッドの上で正座になってしまってる。
「大丈夫だよ。ごめんな…これ外すの忘れてたっ」
頭を撫でたあと手の拘束具を外して、ゆっくりと首輪についている鍵を解除してはずしてやる。
すると海斗はがばっと抱きついてきた。
いきなりで少し驚いたが背中を撫でてやると肩口からほぅという息を吐くのが聞こえた。
「あ、あの…兄さん。お、俺…兄さんになら…」
「うん?」
今度はガバッと身体が離れたかと思うと、言い淀みながら指をもじもじとさせている。
色々忙しいなと思いつつ、俺は海斗が話し出すのをじっと待った。
「兄さんになら…だ、抱かれてもいいよ!」
「・・・・」
やだこの子ったら何を言い出すのやら…突拍子が無さすぎて流石の俺も一瞬思考が止まったよ。
「海斗くん俺に抱かれるつもりだったの?」
「うん…留守番してる間に覚悟はできてる」
いやいや。
膝の上でぎゅっと手を握って下を向いて手を握っちゃってるじゃん。
しかもその手も若干震えてるよ。
「あー。俺的には、それでもいいっちゃいいんだけど…でも、俺もお兄ちゃんとしては弟に無理はして欲しくないんだよね」
「に…」
俺は凄く不安そうな表情の海斗の顔を両手を包んでやり、ちゅっと唇にキスをしてやる。
するとボンッと音がしそうな程海斗の顔が真っ赤になる。
散々あんなことをしておきながら今さらキスくらいで赤くなったのを見るとついつい笑みがこぼれてしまった。
「だから、弟相手にこんなの使う予定なんて無かったんだけど、お兄ちゃん頑張ろうかと思います!」
ベットの下から取り出したモノを海斗の目の前に差し出すとキョトンとした顔をされてしまった。
目の前に出した茶色の紙袋を開けると透明の液体が入ったボトルと、真新しいパッケージに入った大人の玩具が出てくる。
流石にこんなもの見たことが無いのか海斗は俺の手の中のモノをまじまじと見ている。
「さっき海斗が言ったみたいに、海斗を抱いてとかも…超したいけど」
「に、兄さ…」
大人の玩具のパッケージを開けて中身を取り出してみせる。
それを海斗の手に握らせ、その手を上から包み込むように握ってやる。
「ずっと海斗の気持ちを無視してたお詫びに、俺としてくれる?」
「あっ…えっと…お、おねがいします」
海斗が戸惑いながらも頷いたので、俺はまた唇を合わせて舌を絡めとってやる。
きっと俺の顔はニヤニヤと気持ち悪い顔だったと思う。
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