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第6話 放課後③※
気付いたら、昨日のようにカーテンから日の光が出ていて。
それでも、ポカポカと暖かさは感じられず光だけが差していた。
あぁ、もしかして今まで意識がなかったのかな、なんて悠長に考えている。
「ぅ....っ、んぅ...う、んッ....ふ、ぅ...」
あと少しだ。あと少しでこの地獄が終わる。
はやく時間よ進んでくれ。 一秒でも早くここから出させてくれ。
疲れ果てた身体は小刻みに震えていて。
自分でも限界が近いことがわかる。
あと少しだ、そう言って自分を奮い立たせ耐え続けた。
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次に意識がはっきりとしたのはチャイムの音がなったときで。
カーテンの奥をすっと見ると日はもう空の真ん中にまで上り詰めていた。
そういえば、あと少しってどれくらいなんだろう。
咥えさせられている布は、僕の唾液や涙、鼻水でドロドロになっていて。
輪ゴムで止められている僕の男性器は見るのも痛々しいほど腫れ、赤黒く変色していた。
はっはっと息が荒くなる。
ドクドクドクドクと今まで以上に鼓動が動き出す。
もしかして、このまま終わりなんてないんじゃないか、と。
そう思うと息が上手く出来なくなっていた。
すると、遠くから足音が聞こえたような気がしてドアのほうを振り向く。
...終わりか?
...終わりなのか??
...終わらせてくれるのか???
コツコツ、と僕の鼓動のように規則正しく響く音に僕はこれまでない以上に期待をかける。
お願いだから、止まってくれと、頼むから鍵を開けてくれと心のうちで願い続ける。
そんな、僕の儚い願いを打ち消すように、その足音は僕がいるこの教室を通り過ぎ、遠ざかっていった。
心のうちで絶望に落ち、噛み締めていた力が抜け、代わりにガクガクと震える。
誰でもいいから、助けてくれ。
お願いだから。終わらせてくれ。
僕の中で何かが暴れる。
怒り、悲しみ、嬉しみ、苦しみ、怨み、諦め、殺意、恐怖、勇気....。
沢山のものがごちゃ混ぜになってそれぞれが争っている、。
自分の事を主張し、他と混ざり合って自分ではなくなっていく。
ごちゃ混ぜになった自分らはきっと自分を失くす。
―――これ以上変われなくなった真っ黒の絵の具みたいに。
僕の口の震えによって布がズルリと落ちた。
その瞬間、僕は気が狂ったんだろう。
「...ッは、....ははっ、あははははッ、あっははははははッッ!!!!」
部屋中に、僕の笑い声だけが空しく響いた。
僕がおかしくなっている間、頭にズキンズキンと痛みが走っていた。
『ズキン....』
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