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第4話

「trick or treat。お菓子くれなきゃイタズラするぜ?」 「なんだよ、急に」 僕が食べ終わったのを見て、翔真が俺のすぐ側まで寄ってくる。 「今日はハロウィンだから、一応な」 「お菓子って……。プレゼントもないんだ。持ってるわけないだろ?」 「じゃあ、イタズラ決定な」 翔真がニヤッと笑う。 「俺に会いたかった。好きって言われたら、理性飛ぶだろ?」 え?翔真に理性なんてあったっけ? いつもいいようにマウント取られてる気がするけど。 そんなことを考える間もなくキスされる。 「瑞希も恥ずかしいとか考えないくらい、理性が飛べばいい」 キスは次第に大胆なものへと変わっていった。 翔真の口で一度イカされて、俺は息を乱していた。 「俺のもできる?」 唇を人差し指でなぞられて、その意味を理解する。 俺は起き上がって前屈みになると、翔真のものに唇を寄せた。 おずおずと口に含む。 それだけで、逞しく隆起したものが、ドクッと脈動するのがわかった。 恥ずかしい。 恥ずかしさで頭がのぼせそうだ。 でも、翔真に少しでも悦んで欲しい。 そう思いながら、いつも翔真がしてくれる手順を思い出してなぞる。 大きい。 こんな大きいなものが、いつも俺のナカを出入りしてるんだ。 顔が熱くなる。顔だけじゃくて体も。 「はぁ……っ」 翔真がキツく目を瞑り、長い息を吐いた。 翔真も、感じてる? 「ありがと、瑞希。もういいぜ」 そう言って、翔真は俺の頭を優しく退けた。 「お前、まだイってないだろ?」 どうせなら、翔真にもイって欲しい。 「瑞希にされてるだけで、けっこうクるんだ。ヤバい。どうせイくなら、瑞希のナカがいい」 「あっ、ああッ……あああ――ッ」 翔真が挿入(はい)ってくる。 貫かれる瞬間を、俺は初めて気持ちいいと感じた。 「瑞希、()れただけで、イッたぜ?」 「え?」 翔真に言われて気づいた。 「くっそ、なんか嬉しい」 深く繋がったまま、翔真が俺の体を抱きしめる。 「ココでも感じるようになったんだな」 繋がったところに指で触れられて、体が熱くなる。 翔真が抽送を開始する。 いつもと違う。 気持ちいい。 ナカにいる翔真を感じて。 「あっ、気持ち、いい……気持ち、いいよっ……翔真……ッ」 何かにすがりたくて。俺は翔真の背中に爪を立てる。 俺の体。意識。全部が繋がったところに集中して、快感しか感じられなくなっていた。 「ハッ、アッ、あッ、ああっ……」 翔真の腰の動きが速くなる。 肌と肌がぶつかり合う音。 グチュグチュと濡れたいやらしい水音。 リズミカルに刻まれる律動。 翔真と繋がるところが、融け合うみたいに熱くて。 「あああ……ッ」 前に触られることなく、後ろだけでイってしまっていた。 翔真のモノもひときわ大きくなって。 俺のナカに放たれたのを感じた。 「やっぱ瑞希は最高だぜ」 「イタズラがすぎるだろ?」 俺たちは、初めて3ラウンドを終えた。 いつもなら、1ラウンドだって精一杯なのに。 翔真はまだまだいけそうだったけど、俺は完全にダウンだ。 「最高の誕生日だった。ありがとう」 キスされて、抱きしめられたら、幸せが(こぼ)れた。 そう言われたら、もう惚れた弱味で許すしかないんだ。 「翔真、誕生日おめでとう。生まれてきてくれて……ありがとう」 心から言える。 翔真が生まれてきたことに、感謝が溢れる。 翔真は泣きそうに顔をゆがめた。 「そんな嬉しいこと言われたら、もう一回ヤりたくなるだろ?」 抱き締められて、また唇が重なる。 イタズラに愛される俺たちのハロウィンナイトは、ただ静かに更けていく。 ――――

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