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九条家

九条家…… それは国内で1,2を争う財閥の名前。 誰もが知ってる九条ブランドの製品は今や世界にも輸出される。 その当主の九条秀一の妻は男のΩ。 そしてその二人の息子、希一もΩだ。 α至上主義の九条家は二人の存在を認めず現在でも公にされてはいない。 けれどそんな九条家でも少しずつ変わりつつある。 分家だが次期当主と目された九条碧。 彼は希一と恋仲となり結婚し4人子を儲けた。 一卵性の双子の瑠依(るい)瑠加(るか) その1つ下の妹玲香(れいか)、双子の7つ下には(らん)と言う弟がいる。 賑やかになった九条家だが双子が今年から両親の通った聖雷(せいらい)学園高校へと入学し寮生活になった。 「あ~駄目だ、俺死にそう………」 そう嘆くのは双子の弟、瑠加だ。 広々とした寮部屋のベッドでうつ伏せになって父親似の天使のように綺麗な顔を枕に埋める。 「おい、お前何サボってんだよ」 1人部屋の荷物の整理をする双子の兄、瑠依が瑠加をベッドから引きずり下ろす。 「だってさぁ、蘭いないんだぞ? 眠れねぇじゃん!!」 双子は家では弟の蘭と一緒に寝ていた。 ブラコンの彼らは蘭と離れることでこのだだっ広い部屋で1人で眠ることに不満を抱いていた。 実はこの寮、αは1人部屋なのだ。 そしてαである彼らも勿論1人部屋で特に瑠加は寂しさ故にずっとため息をついている。 そんな彼らの高校生活が始まった

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