腰を掬い上げられ、膝を高く上げた恥ずかしい体勢のまま舌を這わされる。くちゅ、と濡れた音がして頭を振った。 「あぁっ、や、だ、槐様ぁ…！」 ぬぷぬぷと舌を出し入れされ、思わず顔を両手で覆ってしまう。 「柔らかくしないと困るのは清白でしょう？」 「は、はい…」 足の間からまっすぐ見つめられて頷く。 尻たぶを割り広げながら、丹念に舐めあげられて、びくびくと身体が跳ねる。止めようにも止められなくて、ただただ恥ずかしい。 美しい槐様にそんなところを舐められることも、女のように濡れた声をあげてしまう自分も、恥ずかしくて堪らない。後ろがとろけるまで続けられるこの行為が、ぼくは本当に苦手だった。 きっと、槐様はなにもしらない自分をこうやって辱しめるのが楽しいに違いない。 口づけも性交もぼくのはじめてはすべて槐様で、無知なぼくはその手をたくさん煩わせてしまったのに、まだこんなに容赦がない。 「なに考えてる？清白」 「ひぅ、ぁ、はあん…っ！」 長い指が二本、ぐいと後ろに突き立てられて、思わず喉を反らして喘ぐ。 そのまま中の弱いところをなぶるように攻められて、ぶるぶると腰が震える。 「えん、槐様の、こと、です…！」 「…清白はなにも考えないでただ感じてればいいんだよ、その方がオレも気持ちがいい」 ぐるりと中をかき回され、指先を入り口に引っかけるようにして広げられる。ぱくりと口を開けたそこに槐様の熱いものが宛がわれた。 「清白、鳴いて」 「あ、あ―――っ！！」 みち、と大きなものが押し入ってきて、思わず叫んでしまう。 槐様のものはあまりに大きくて、あんなに溶かされた穴が限界まで広がってぎちぎちと軋む。 「力を抜いて」 槐様も辛そうに眉根を寄せている。 意識的に息を吐いてなんとか力を抜こうとする。槐様が気持ちよくないと意味がないのだから。 「はぁっ、は、あぁん…っ」 じりじりと進むそれがすべて収まる頃には、全身がぐっしょりと汗で濡れていた。それどころかぼくの腹はべっとりと白濁で汚れている。 「清白」 なのに槐様に名前を呼ばれるだけで身体が熱くなる。 結局、槐様より先にぼくがおかしくなってしまうのだ。 「ぁ、あ、あ…っ、槐様…！」 「…っ」 あとはもう為すがままで揺すぶられるだけ。 目が回るような暴力的な快感の中、ぽたりと槐様の顎先から汗が落ちた。震える指先でその滑らかな頬を拭うと、間近からじっと見つめられる。 こんな風に交わっていても槐様の表情は変わらない。 「っ、あ、ぁあ…っ！！」 それでもその視線は火傷しそうに熱くて、ぼくは後ろをきゅうきゅうと締めながらまた達してしまう。 我慢の利かないぼくを咎めることなく、槐様はますます追い上げ翻弄してくる。 「…清白」 「う、あ…っ」 ぼくの中に吐精した槐様がずるりと抜け出る頃には、もうぼくの意識はぼんやりとしていた。 それもまたいつものことだった。